1995 Fiscal Year Annual Research Report
胚中心Bリンパ球のbcl-2遺伝子発現と濾胞樹状細胞のEmperipolesis
Project/Area Number |
07670028
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
角田 力弥 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (40045779)
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Keywords | 胚中心 / Bーリンパ球 / 樹状細胞 / Bcl-2 / アポトーシス |
Research Abstract |
濾胞樹状細胞の胚中心Bリンパ球に対するEmperipolesis能をin vitroで判定、分析するには、濾胞樹状細胞がBリンパ球を抱き込んだ、いわゆる球状クラスター状態をそのままある期間、重力やプラスチックとの接触等の作用をうけないようにして培養する必要があり、そのためテラサキプレートを逆転した水滴培養という条件に束縛される。そしてこの培養系は培養液量が少ないためにどうしても実験規模を大きくできず、早期(24時間以内)に培養細胞のダメ-ジを来しやすく、また抱きかかえられた側のBリンパ球の解析のためにそれだけを分離することが予想外に困難なことであることが判明した。なんとかこうした実験束縛を打破しようとするトライアルの中から、in situの状態に近いEmperipolesisではないが、濾胞樹状細胞を単層培養し、その上に胚中心Bリンパ球を混合培養して得られるBリンパ球の濾胞樹状細胞の下へのもぐりこみ現象、いわゆるPseudo-Emperipolesisの方が、通常培養であるためかなり長期培養(日単位)が可能で、かつBリンパ球だけを容易に分離できることがわかった。実際、検索の結果、EmperipolesisとPseudo-Emperipolesisとに反応するリンパ球PopulationにCD38、CD39、IgD,CD5,Bcl-2等の細胞性状上、差異が無く、かつBリンパ球の反応頻度はむしろ後者の実験系のほうが優れていることが判明した。現在、申請時の実験計画方法を全面的に変更し、Pseudo-Emperipolesis法を用いて研究を継続しており、濾胞樹状細胞の微小環境があたえる胚中心Bリンパ球のBcl-2発現(蛋白、mRNA)への影響、さらにはCD95(Apo/Fas)との関連等に拡大して検索中である。もう一年さらに分析を続けて確実な成果を発表したい。
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