1996 Fiscal Year Annual Research Report
外分泌腺細胞単離小胞体標本によるリアノジン受容体の解明
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07670046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小澤 輝高 東北大学, 医学部, 助教授 (30160857)
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Keywords | リアノジン受容体 / 耳下腺腺房細胞 / 膵腺房細胞 / 単離小胞体標本 / カルシウム遊離機構 / カフェイン / 環状ADPリボース |
Research Abstract |
平成7年度にラット耳下腺単離小胞体標本を用いて、カフェイン、リアノジン、環状ADPリボース(cADPR)が、著明なCa^<2+>放出を引き起こす等の結果を得て、リアノジン感受性Ca^<2+>放出機構についての確証を得たので平成8年度は、膵腺房細胞にも対照を拡げ、また耳下腺については、その放出機構の受容体としての特性も含めて検討することにした。1.膵腺房細胞単離小胞体標本による^<45>Ca^<2+>フラックスの測定: 1)カフェイン(10〜40mM)、低濃度(10μM)のリアノジンとcADPR(0.1〜4.0μM)は小胞体より^<45>Ca^<2+>を放出させる。2.Ca^<2+>電極法を用いた小胞体標本によるCa^<2+>フラックスの測定(耳下腺及び膵腺房細胞小胞体標本懸濁液中のCa^<2+>濃度の測定): 1)耳下腺単離小胞体標本の場合は電極で測定してもカフェイン、リアノジン、cADPR及びCa^<2+>がCa^<2+>放出を引き起こすという確証は得られなかった。2)膵腺房細胞の単離小胞体標本の場合は、Ca^<2+>濃度の増加(懸濁液中のCa^<2+>濃度に換算して50μMの増加)が、小胞体よりCa^<2+>放出を引き起こすことが示された。今後更に、このCa^<2+>誘発性Ca^<2+>放出を促進または抑制すると考えられる薬物(カフェイン、リアノジン、cADPR、ルテニウムレッド等)の効果についても検討したい。3.耳下腺単離小胞体標本による結合リアノジン量の測定。:^3Hで標識されたリアノジンと小胞体標本をインキュベートさせた後、全結合量より非特異的結合量を差し引くことにより特異的結合量が求められるが、全結合量と非特異的結合量とがほぼ等しく、特異的結合量が僅か(数fmol/mg protein)しか得られなかった。今後、測定上の技術的な面も含めて検討したい。以上の結果より、筋肉や神経細胞などの興奮性細胞で報告されている、リアノジン受容体と同様の性質を持つCa^<2+>放出機構が、耳下腺だけでなく膵腺房細胞の小胞体膜上にも存在することが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fukushi, Y.: "Uepletion of ryanodine-sensitive Ca^<2+> store activates Ca^<2+> entry in rat submanndibular gland acinar cells." Tohoku J. Exp. Med.178. 399-411 (1996)
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[Publications] Ozawa, T.: "Characterization of ryanodine-sensitive Ca^<2+> release from microsomal vesicles of rat parotid acinar cells : ragulation by cyclic ADP-ribose." J. Membrane Biol.156(in press). (1997)
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[Publications] Ozawa, T.: "Characterization of ryanodine-sensitive Ca^<2+> release and its role in Ca^<2+> mobilization in rat parotid acinar cells." Jpn. J. Physiol.46(Suppl). S25 (1996)
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[Publications] Fukushi, Y.: "Extracellular ATP releases Ca^<2+> from ryanodine-sensitive Ca^<2+> stores in parotid acinar cells of the rat through Na^+ entry." Jpn. J. Physiol.46(Suppl). S8 (1996)
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[Publications] 小澤 輝高: "ラット耳下腺腺房細胞におけるCa^<2+>誘発性Ca^<2+>放出の特性" 第74回日本生理学会大会予稿集. 210 (1997)