1996 Fiscal Year Annual Research Report
ドーパミン作動性反回入力と興奮性および抑制性入力応答との細胞内クロストーク
Project/Area Number |
07670047
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鍋倉 淳一 九州大学, 医学部, 助教授 (50237583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀本 直幹 秋田大学, 医学部, 講師 (40243927)
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Keywords | ラット / 黒質 / モノアミン / グリシン / リン酸化酵素 / GTP結合蛋白 / クロールイオン |
Research Abstract |
黒質神経細胞において抑制性神経伝達物質受容体とモノアミン受容体間の細胞内クロストークを以下の手法を用いて検討した。ラットを麻酔下において断頭後、黒質を含む400ミクロンの脳薄切片を作製した。酵素処理後、黒質から神経細胞を急性単離し、ニスタチンを用いた穿孔パッチクランプ法を適用し、抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GABA)およびタウリン応答に対するモノアミンの修飾作用を検討した。ドーパミンはGABA応答を抑制した。タウリンはグリシン受容体に作用して、細胞膜のクロールイオンの透過性を増強することにより黒質神経細胞の興奮性を抑制することが判明した。ノルアドレナリンはタウリン応答を増強した。その機序は以下の2つの細胞内伝達機構を介していた。アルファ2Aノルアドレナリン受容体の活性化は百日咳毒素感受性GTP結合蛋白を活性化し、アデニールシクラーゼ活性を低下させる。その結果、細胞内のサイクリックAMPの低下、それによるAキナーゼ活性の低下を引きおこし、細胞内からグリシン受容体応答を増強する。一方、アルファ1ノルアドレナリン受容体は百日咳毒素非感受性GTP結合蛋白を活性化し、フォスフォリパーゼC活性の増加を介して、細胞内Cキナーゼ活性を増加させる。その結果、グリシン受容体応答を増強した。この増強は、グリシンチャネルの開口確率の増加によって惹起されることが判明した。このように、黒質神経細胞においてノルアドレナリンは2種類の受容体に連動するそれぞれ異なる細胞内機構を介しタウリン応答を増強していることが判明した。
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[Publications] 鍋倉淳一 堀本直幹: "HETEROGENEOUS DEVELOPMENT OF VOLTAGE DEPENDENCY OF NMDA RECEPTOR MEDIATED RESPONSE IN CENTRAL NERVOUS SYSTEM" NEUROBIOLOGY. 3. 293-298 (1995)
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[Publications] 鍋倉淳一 上野伸哉 小川哲朗 赤池紀扶: "Colocalization of ATP and nicotinic ACh receptors in the identified vagal preganglinic neurone of rat" Journal of Physiology. 489. 519-527 (1995)
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[Publications] 堀本直幹 鍋倉淳一: "DEVELOPMENTAL CHANGES IN ARACHIDONIC ACID POTENTIATION OF NMDA CURRENTS IN CORTICAL NEURONES" NEURO REPORT. 7. 2463-2467 (1996)
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[Publications] 浜野浩二,鍋倉淳一 西川正純 小川哲朗: "DOCOSAHEXAENOIC ACID REDUCES GABA RESPONSE IN SUBSTANTIA NIGRA NEURON OF RAT" JOURNAL OF NEUROPHYSIOLOGY. 75. 1264-1270 (1996)
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[Publications] 鍋倉淳一 大村知広 赤池紀扶: "ALPHA2 ADRENOCEPTOR POTENTIATES GLYCINE RECEPTOR-MEDIATED TAURINE RESPONSE THROUGH PROTEIN KINASE A IN RAT SUBSTANTIA NIGRA NEURONS" JOURNAL OF NEUROPHYSIOLOGY. 76. 2447-2454 (1996)
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[Publications] 鍋倉淳一,大村知広,堀本直幹 小川哲朗 赤池紀扶: "ALPHA1 ADRENOCEPTOR ACTIVATION POTENTIATES TAURINE RESPONSE MEDIATED BY PROTEIN KINASE C IN SUBSTANTIA NIGRA NEURONS" JOURNAL OF NEUROPHYSIOLOGY. 76. 2455-2460 (1996)