1995 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞由来マスト細胞の温度依存性外向き電流の性質と活性化機構
Project/Area Number |
07670062
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
久野 みゆき 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00145773)
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Keywords | 増血幹細胞 / マスト細胞 / 骨髄 / プロトン電流 / 温度依存性 / ATP / pH調節 / 増殖 |
Research Abstract |
本年度の研究からマウス骨髄幹細胞由来マスト細胞(以下BMMCと略す)の温度依存性外向き電流について以下のことが明らかになった。 (1)24から36度の範囲で温度上昇によって可逆的に、また反復して外向き電流が活性化された。Q_<10>値は、11.3±6・8(mean±SD,n=6)で温度依存性が極めて高いことがわかった。 (2)細胞内外溶液のCl,K,Naイオン組成を変えても電流振幅、逆転電位とも一定の変化がなかった。細胞内pHを7.3から5.5に低下させると活性化電位が0から約-40mVへと過分極側に移動した。細胞外pHを6.0から8.7の間で上昇させると活性化電位は過分極側に移動した。逆転電位は内外のpHの差に比例し、他のイオン濃度には依存しないことから、温度依存性の電流はプロトン(H^+)電流であると結論された。 (3)脱分極による活性化過程はsingle exponential curveに一致し、時定数は脱分極するほど、温度が高くなるほど、また外液のpHが高くなるほど小さくなった。 (4)細胞内溶液からATPを除去したりATPをATPγSで置換するとH^+電流は有意に(P<0.05)減少した。また細胞外ZnによってH^+電流は可逆的にブロックされた。 以上のように、BMMCは外向きH^+電流を有している。その高い温度依存性はAPTの分解によるエネルギーを必要とする活性化メカニズムを反映していると推定される。現在このようなH^+電流の報告はない。今回の実験で安定したH^+電流の測定には高濃度(120mM)細胞内bufferを要したことを考えると、BMMCには強力なbufferあるいはpH調節機構が内在していることが示唆される。BMMCは増殖・分化の良いモデル系であり、細胞周期や分化過程においてこのH^+電流がどのような役割を果たしているのかを更に解明していきたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakamura,F.: "Glutamatergic negative and positive feedback regulation of excitatory synaptic transsission in spinal motoneurons" 4th IBRO World Congress of Neuroscience. 175- (1995)
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[Publications] Gotani,H,: "Potentiation of excitatory postsynapitc potentials by a metabotropic glutamate agonist(1S,3R-ACPD)in frog spinal motoneurons" Brain Res. 689. 281-288 (1995)
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[Publications] Kuno,M.: "Temprature-dependent outwardly rectifying currents in bone marrow-derived mast cells" Jpn.J.Physiol.45. S28- (1995)
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[Publications] Shibata,T.: "Membrane currents of bone marrow-derived osteoclast-like cells" Jpn.J.Physiol.45. S131- (1995)
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[Publications] 久野みゆき: "骨髄由来マスト細胞の増殖とKチャネル活性" 第73回 日本生理学会. (発表予定).
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[Publications] 柴田敏弥: "マウス骨髄由来 osteoclast-like cell の膜電流に対する細胞外Caの効果" 第73回 日本生理学会. (発表予定).