1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの皮膚交感神経活動中の発汗神経活動と血管収縮神経活動の温度依存性変化
Project/Area Number |
07670082
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩瀬 敏 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (90184879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 俊義 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (60252293)
杉山 由樹 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50240809)
間野 忠明 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30023659)
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Keywords | 皮膚交感神経活動 / 発汗 / 皮膚血流 / 交感神経活動の地域性 / 精神性発汗 / 温熱性発汗 / 微小神経電図法 / 同時記録法 |
Research Abstract |
微小神経電図法により記録された皮膚支配の交感神経活動,皮膚交感神経活動(SSNA)は,発汗神経活動成分(VC)と血管収縮神経活動成分(SM)を含む.環境温がこの2つの活動成分の変化に与える影響を,健常成人および発汗異常者においてSSNAの同時記録法により明らかにすることを目的とした.この目的を遂行するため,従来は効果器により判定(SMは換気カプセル法にて,VCはレーザードプラー法にて)していたSSNAのSMとVCの同定をスパイクレベルで行い,コンピュータによる自動解析を試みた. その結果,スパイクマッチング法を用いてスパイクレベルにおいてSSNA中のSMスパイク,VCスパイクが同定可能となった.さらに同法を利用して環境温を下降させた場合と,局所皮膚冷却を負荷した場合を両神経において比較したところ,両神経ともに前者においてはVCと正の相関を示した鼓膜温(核温)は,後者においては負の相関を示した.また,腓骨神経においては低下したSMが,脛骨神経においては増加した.このことは,環境温低下時に,一般体表面では核温の低下を防ぐためにVCが賦活化され,皮膚血流量が低下するが,局所冷却時には逆に断熱効果が働き深部温を上昇させる一方で,無毛部において発汗および皮膚血管収縮のため,皮膚温の急激な低下が起こることを意味する.このように冷却方法によってもSMおよびVCに地域差があることが示された.さらに手掌足底多汗症患者において,精神的ストレスや温熱環境に対する反応を検索したところ,無毛部支配のSSNAにSM・VCともに,より多くの交感神経出力が流出していることが確認された. これらの結果は,環境温および精神的ストレスが,ヒトの体温調節に及ぼす影響を探索する上において,重要な所見となることを示唆するものと思われる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iwase S,Kitazawa H,Cui J,Sawasaki N,Mano T: "Differentiation of skin sympathetic nerve activity to sudomotor and vasoconstrictor nerve components" Electroencephar clin Neurophysiol. (印刷中). (1997)
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[Publications] Iwase S,Ikeda T,Kitazawa H,Hakusui S,Sugenoya J,Mano T: "Altered response in cutaneous sympathetic outflow to mental and thermal stimuli in primary palmoplantar hyperhidrosis" J Autonom Nerv Syst. (印刷中). (1997)
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[Publications] 岩瀬 敏,間野忠明: "交感神経皮膚反応,1,2" 臨床脳波. 38. 558-565,643-652 (1996)
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[Publications] 北澤大樹,宮崎誠司,岩瀬 敏,崔 建,児玉佳久,澤崎直規,神谷厚範,横地 裕,間野忠明: "発汗及び血管運動機能測定の自律神経機能検査への有効性" 環研年報. 47. 54-57 (1997)
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[Publications] 澤崎直規,岩瀬 敏,崔 建,間野忠明: "局所および全身冷却が交感神経活動と深部温に及ぼす影響" 環研年報. 47. 62-65 (1997)
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[Publications] 白水重尚,安田武司,柳 務,山本浩二,岩瀬 敏,間野忠明,高橋 昭,長谷川康博: "後天性無汗症2例における病態生理学的検討" 自律神経. 33. 366-370 (1996)