1995 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子情報解析による非ふるえ熱産生の抑制生調節機序の解明
Project/Area Number |
07670096
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
八幡 剛浩 市立名寄短期大学, 看護学科, 教授 (60041828)
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Keywords | 非ふるえ熱産生 / 褐色脂肪組織 / 酸素消費量 / プロラクチン / グルカゴン / ノルアドレナリン / ハロペリドール / ブロモクリプチン |
Research Abstract |
恒温動物の体温維持に重要な役割を持つ、非ふるえ熱産生の主な発現部位である褐色脂肪組織(BAT)の機能調節に果たすプロラクチン(PRL)の役割を明らかにする為、寒冷曝露時とノルアドレナリン(NA)投与時の血漿PRLレベルの変化(RIAによる測定)、及び高PRL血漿時および低PRL血漿時のBAT機能(酸素電極による組織細片の酸素消費量の測定)を調べ以下の結果を得た。 1)雄ラットで、血漿PRLレベルは寒冷曝露1時間、および1日では有意に低くなったが、寒冷馴化群(寒冷下4週間飼育:CA)では温暖対照群(WC)のレベルに戻っていた。 2)WCで、生理食塩水注射は血漿PRLを上昇させたが、NAはこの上昇を抑制した。CAでは生理食塩水注射による血漿PRL上昇は見られなかった。 3)雌ラットで、PRL分泌促進薬であるハロペリドールのin vivo投与は、グルカゴンによるBATの 熱産生促進作用を抑制し、PRL分泌抑制薬のブロモクリプチンは逆に、その作用を促進した。又、ドーパミンはブロモクリプチンと同様の効果を示した。非ふるえ熱産生が亢進している寒冷曝露時およびNA投与時に、血漿PRLレベルが低下している事、又、グルカゴンに対するBATの反応性がPRL分泌促進薬で抑制され、分泌抑制薬で逆に亢進することは、PRLがBATの機能を抑制することによって非ふるえ熱産生の発現の調節に関わっている事を示唆している。
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