1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトドーパミンβ-水酸化酵素遺伝子の発現と調節に関する分子機構
Project/Area Number |
07670156
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石黒 啓司 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (20211039)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 啓介 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (40209052)
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (40064802)
|
Keywords | ドーパミンβ-水酸化酵素 / 遺伝子発現 / 転写調節 / プロテインキナーゼC / プロテインキナーゼA / YY-1 |
Research Abstract |
1.CRE結合蛋白質(hDBH/CREB)の確認 本遺伝子のCREはTGACGTCCでありコンセンサスCREとは1塩基対異なる。ゲルシフト実験の結果、この塩基配列は3から5本の蛋白質複合体を形成し、それらの形成はチロシン水酸化酵素やソマトスタチンのCREで強く阻害されることから複合体形成にかかわる蛋白質はCREBであることが強く示唆された。現在、抗体を用いてさらに検討を加えている。2.転写活性調節因子の同定 この領域にはYY-1結合配列、E-box、さらにはAP-1様配列が存在する。ゲルシフト実験の結果CRE/CREB複合体以外に強いシフトバンドが観察された。変異を入れたオリゴヌクレオチドを競合DNAに用いた結果、YY-1の結合であると考えられた。この複合体形成は抗YY-1抗体により強く阻害されたことから結合している蛋白質はYY-1と同定した。DBHプロモーターでのYY-1の機能を明らかにする目的で-604bpから+10bpまでをルシフェラーゼ遺伝子に結合したキメラDNA(604Luc)を作製した。さらに604LucのCRE近傍の塩基配列に変異を入れることでそれぞれのDNAエレメントを非特異的な塩基配列にした。その結果、CRE欠損604Lucはプロモーター活性が顕著に低下したがその他には変化が見られなかった。TPAによる刺激に対してはYY-1の結合塩基配列がなければプロモーター活性は非常に低かった。よって、YY-1はDBHプロモーター上でプロテインキナーゼC(PKC)の活性誘導に重要な働きをしていることが明かとなった。3.神経細胞特異的転写活性調節因子の同定 SK-N-SH細胞とPC12細胞の核蛋白画分を用いてCRE周辺のフットプリント実験を行った結果、とくに強い蛋白結合活性が見い出されなかった。4.サイレンサー領域とCREおよび転写活性調節因子との関係 現在、サイレンサーとの関係は解析出来ていない。それは転写活性領域の解析をさらに詳細に検討する必要があると判断したことによる。すなわち、TPAに反応するエレメントの同定を行っておりサイレンサーとの関係はその後の研究項目にする。
|