1995 Fiscal Year Annual Research Report
フルクトース2、6二燐酸合成酵素の脳型アイソザイムと脳の解糖系の調節機構
Project/Area Number |
07670157
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
渡邊 房男 大阪医科大学, 教養部, 講師 (40183719)
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Keywords | フルクトース2.6二燐酸 / 脳 / 解糖系 / ホスホフルクトキナーゼ / フルクトース2.6二燐酸合成酵素 / 分子生物学 |
Research Abstract |
申請者は脳のフルクトース2、6二燐酸合成酵素の部分塩基配列に基づいて3'-及び5'-RACEを行い,全コーディング領域を含むcDNAをクローニングし,その構造を決定した。このcDNAは全長1.9kbであり,これがコードする蛋白質は480アミノ酸残基の大きさであった。さらにこの3'-RACEを行う過程でこのクローン以外に,部分的に塩基配列が異る4種類のクローンを見いだした。RT-PCR法を用いた解析の結果,この4クローンはmRNAの発現量の強弱が見られるものの,いずれも脳内での存在が確認された。これらのクローンの塩基配列を解析したところ,heterogeneityは本酵素のコ-デイング領域と3'非翻訳領域にまたがって存在し,C-端末部分のアミノ酸配列が異なる酵素蛋白質の存在が示唆された。これらのcDNA塩基配列を比較したところ,このheterogeneityはalternative splicingによるエクソンの使い分けによって生じていることが示された。 さらに,これらのクローンの共通部分のcDNAを用いてノーザンブロットを行ったところ,このmRNAは4.1kbの大きさであり,脳と骨格筋で強い発現がみられた。これらの臓器は電気的刺激でそのエネルギー代謝の速度を大きく変化させるという共通点がある。本酵素がこれら臓器の解糖系の調節にどのような機構で関与しているかを明らかにする目的で,現在このC末端部分のみの構造が異なる4種類の酵素のin situ hybridizationと酵素学的性質の解明を行っている。
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