1995 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞巣におけるカルパイン依存性細胞障害に関する研究
Project/Area Number |
07670177
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐々木 實 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10080003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 豊曠 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (20106230)
早川 富博 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50172995)
国松 己歳 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (70145746)
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Keywords | カルパイン / 心筋虚血再灌流 / カルパイン阻害剤 / NFχB |
Research Abstract |
1.虚血再灌流後の総カルパイン活性の変化:心筋虚血及び再灌流実験は雄ウイスターラットの心臓を用いて行った。虚血再灌流後の心筋をホモジネート、遠心し、その上澄をDEAEセルロースカラムで分画、溶出してカルパイン画分のカゼイン分解活性を測定した。虚血再灌流を行わないカゼイン分解活性(12.6±2unit/mg蛋白質)は虚血再灌流を行った心筋(5.1±2.5unit/mg蛋白質)の約半分以下に減少していた。しかし虚血再灌流の前にカルパイン阻害剤を投与したもの(9.0±10unit/mg蛋白質)では阻害剤を投与しなかったものよりは明らかに高く、虚血再灌流によりカルパインが活性化され自己消化あるいは他の細胞酵素とともに細胞外に逸脱した可能性が示唆された。 2.虚血再灌流によるm-カルパイン大(80kD)サブユニット量の変化:カゼイン分解能が認められたDEAEセルロースカラム溶出液のウエスタンブロットを行って、m-カルパイン80kDサブユニット量の変化を検索した。上記残存カルパイン活性と同様80kDサブユニットの量は虚血再灌流により著しく減少し、阻害剤添加のものではその減少が著しく回復された。 3.カルパインによるNFχBの限定分解:カルパインの核内存在が証明されたのでPKCの代わりにNFχBに対する作用を検討した。その結果カルパインはNFχBの65kDサブユニットを切断することが証明され、それによってカルパインが転写活性の制御に関与することが新たに判明した。 以上のことからカルパインが虚血再灌流による心筋梗塞の細胞障害に重要な役割を果たしうることが明らかにされた。
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Research Products
(1 results)