1995 Fiscal Year Annual Research Report
消化管型グルタチオンペルオキシダーゼ遺伝子の導入による細胞の酸化障害の抑制
Project/Area Number |
07670183
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
錦見 盛光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20022816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 仁淑 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50209475)
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Keywords | グルタチオンペルオキシダーゼ / 遺伝子 / 消化管 / クローニング / 塩基配列 / ラット / ホモロジー / 発現 |
Research Abstract |
グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)には4種のアイソザイム(細胞質型、血漿型、リン脂質ヒドロペルオキシド型、消化管型)の存在が知られている。このうち消化管型GPxについては、ヒトのcDNAの塩基配列が明らかにされているが、遺伝子構造の解析がなされていない。本研究においてヒトのcDNAの塩基配列に基づいてその翻訳領域の3′部分をPCR法で増幅し、得られたDNAをハイブリダイゼーションのプローブに用いてCharon4Aで作製されたラットのゲノムDNAライブラリーをスクリーニングし、消化管型GPx遺伝子の独立した2つのクローンを得た。その翻訳領域を含む断片をサブクローニングして塩基配列を決定した結果、ラットとヒトの間で翻訳領域の相同性は89.5%、アミノ酸配列では相同性が93.2%であった。また、消化管型GPx遺伝子は2つのエキソンでコードされ、イントロンは他のGPxのアイソザイムとの間でアミノ酸配列において相同性の高い領域内の同一部位に存在することが分かった。さらに、PCR法によって得たヒトの消化管型GPx遺伝子についても調べ、同様のエキソン/イントロン構造を持つことを確かめた。消化管型GPxのmRNAの3′非翻訳領域には、翻訳の際に活性中心のセレノシスティンを取り込むために必要な共通配列があり、他のGPxで明らかにされたような二次構造を形成することが分かった。次に、消化管型GPxの発現を培養細胞で調べるため、ラット大腸のmRNAを用いて消化管型GPxのcDNAをRT-PCR法で取得して、これを発現ベクターpRc/CMVに導入し、現在ヒト大腸癌培養細胞への導入を試みている。
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Research Products
(1 results)