1995 Fiscal Year Annual Research Report
Fas/Fasリガンドシステムの生理的、病理的意義の解析
Project/Area Number |
07670184
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
須田 貴司 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第一研究部, 副部長 (70250090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 重一 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第一研究部, 部長 (70114428)
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Keywords | Fas / Fasリガンド / Fasリガンドの大量調整 / 抗Fasリガンド抗体 / in situ hydridization / 胚中心 |
Research Abstract |
我々はこれまで、FasとFasリガンド(FasL)の遺伝子を単離し、これらが細胞にアポトーシスの信号を伝達する受容体とそのリガンドであること、免疫系において重要な働きをしていること等を示してきた。これらの成果をふまえ、本研究ではFas/FasL系の生理的、病理的意義をより詳細に解明すること目的としている。平成7年度は、以下の成果を得た。1)ヒトFasLの細胞外領域を大腸菌、酵母および動物細胞(COS)で発現させ、可溶性FasLの大量調整を試みた。大腸菌発現系では目的の蛋白質を大量に産生したが、不活性であった。COS細胞では活性型可溶性FasLが産生されたが、大量調整は困難であった。酵母発現系は持田製薬と共同開発し、産生量は約100μg/ml、比活性は2×10^7units/mgであり、活性型可溶性FasLの大量産生が可能となった。2)ヒト膜型FasLを構成的に発現する形質転換細胞株を樹立するため、FasLcDNAをpEF-BOSベクターを用いて種々の細胞に発現させた。これらの細胞は、機能的なFasLを発現したが、発現量は非常に少なかった。FasLの細胞質領域を大部分欠失させ、マウスリンフォーマ株WR19Lに発現させたところ、膜型FasLの高発現株の樹立に成功した。3)ヒトFasリガンドペプチドを免疫したウサギ抗血清を作製した。この抗血清をペプチドカラムで精製し、抗FasL抗体を得た。この抗体は、ウエスタンプロティングで、ヒトFasリガンドを特異的に検出したが、中和活性はなかった。4)大腸菌に産生させたFasLを抗原として用い、抗FasL抗体を検出するFLISA系を樹立した。この系は、抗FasLモノクローナル抗体のスクリーニングに好適な系になると考えられる。5)in situ hydridizationおよび免疫組織化学的手法を用い、Fasが脾臓やリンパ節の胚中心に強く発現していることを示した。また、LPSで活性化したB細胞が抗Fas抗体に感受性になることから、Fasが活性化B細胞の細胞死に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suda, T.: "Expression of the Fas ligand in cells of T cell lineage." J. Immunol.154. 3806-3813 (1995)
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[Publications] Ogasawara, J.: "Selective apoptosis of CD4 CD8 thymocytes by the anti-Fas antibody" J. Exp. Med.181. 485-491 (1995)
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[Publications] Tanaka, M.: "Expression of the functional soluble form of human fas ligand in activated lymphocytes" EMBO J.14. 1129-1135 (1995)
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[Publications] Watanabe, D.: "Constitutive activation of the Fas ligand gene in mouse lymphoproliferative disorders" EMBO J.14. 12-18 (1995)
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[Publications] Tanaka, M.: "Fas ligand in human serum" Nature Medicine. (in press). (1996)
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[Publications] Watanabe, D.: "Expression of Fas in B cells of the mouse germinal center and Fas-dependent killing of activated B cells." Int. Immunol.7. 1949-1956 (1995)