1996 Fiscal Year Annual Research Report
成長ホルモン放出因子受容体mRNAの人体組織内分布
Project/Area Number |
07670219
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Research Institution | KITASATO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
亀谷 徹 北里大学, 医学部, 教授 (50101035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 秀宏 北里大学, 医学部, 助手 (60213914)
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Keywords | 成長ホルモン / 成長ホルモン放出ホルモン / 成長ホルモン放出ホルモン受容体 / 逆転写酵素-PCR / In situ hybridization / cRNAプローブ / 下垂体腺腫 / 成長ホルモン産生腺腫 |
Research Abstract |
人の成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)は成長ホルモン(GH)の分泌及び成長ホルモン産生細胞の増殖の調節に必須で、生理的には視床下部で産生され、下垂体門脈へ分泌され、下垂体前葉に達する。1992年、人、マウス、ラットのGHRH受容体(GHRH-R)をコードする遺伝子の塩基配列が決定された。しかし、人下垂体腺腫におけるGHRH-Rの発現については、逆転写酵素(RT)-PCR及びノーザンブロットによる分析が、少数例について行われているに過ぎず、In situ hybridization組織化学(ISH)によるこの受容体発現の研究はない。我々はRT-PCR及びISHにより、正常下垂体のみならず、下垂体腺腫についても、本受容体mRNAの発現を分析した。ホルモン疾患、下垂体病変のない5例の人下垂体及び38例の大きな腺腫(2cm以上;GHoma12、プロラクチノーマ6、ACTHoma3、甲状腺刺激ホルモン腺腫1、非機能腺腫16例)を材料とした。GHRH-R mRNAのRT-PCR分析のために20塩基の5',3'-プライマーを合成し、PCRにより、255塩基対のcRNA産物を得、これをプローブとし、各々の組織から抽出したtotalRNAを試料とし、RT-PCRを行った。電気泳動上のバンドの強さを内部コントロール(β-グロビン)のそれと対比し、強さを各腫瘍につき比較した。ISHによる分析のための標本には4%パラフォルムアルデヒド固定。パラフィン標本切片を用い、cRNAプローブをジゴキシゲニンで標識し、非放射性ISHを常法により行ったが、最終的な着色反応はアルカリフォスファターゼの酵素組織化学反応を用いた。正常下垂体においては、5例共RT-PCRによってGHRH-R mRNAの発現を認めた。ISHによっては、メッセージの多いと思われる若年女性の下垂体で、GH細胞にGHRH-R mRNAのシグナルを確認した。プロラクチン細胞には明かなシグナルを認めなかった。38例の下垂体腺腫のうち、GHomaにのみ、腫瘍細胞中に強いGHRH-R mRNAのシグナルを認めた。RT-PCRによっても、他の腺腫では微弱な発現しか認めなかった。 上の所見からGH産生細胞腫瘍の増殖には、GHRH-R mRNAの強い発現が関係していることが示唆された。
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[Publications] Shigeru Furuhata: "Clinical and Ultrastructural Comparison of Immunohi stochemically Inactive and Gonadotropin-pruducing Pitaitary Adenomas" Neurologia medio-chirurgica. 35(4). 227-230 (1995)
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[Publications] Shi-Xu Jiang: "Expression of bcl-2 oncogene protein is prevalent in small cell lung carcinoma" J.Pathology. 177. 135-138 (1995)
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[Publications] Hidehiro Oka: "Expressin of bcl-2 gene product in embryonal tumors of the central nervous system" Sung・Neurol.45. 230-235 (1996)
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[Publications] Hidehiro Oka: "Pituitary choristoma composed of corticotrophs and uderenocortical cells in the sella turcica" Virchows Arch.427. 613-617 (1996)