1995 Fiscal Year Annual Research Report
免疫ブロット法を用いた各種腫瘍における転移抑制遺伝子nm23の発現量の定量化
Project/Area Number |
07670220
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 雄一 北里大学, 医学部, 助教授 (30178793)
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Keywords | nm23 / 転移抑制遺伝子 / 免疫ブロット法 / 肺癌 / 子宮体部癌 |
Research Abstract |
肺癌32例(腺癌27例、扁平上皮癌5例)の腫瘍組織と同一症例の非腫瘍組織としての末梢肺組織から抽出した蛋白を用い、転移抑制遺伝子nm23の発現を免疫ブロット法で検索した。その結果、腫瘍組織、非腫瘍組織ともnm23蛋白はH1アイソフォームが20kD、H2アイソフォームが18kDと常に2本のバンドが認められた。非腫瘍組織におけるH2/H1値は平均5.23であったが、腫瘍組織ではH1,H2アイソフォームとも増加しており、H2/H1値の平均は2.48であった。これはH1アイソフォームの増加率がH2アイソフォームの増加率より高いことに起因していた。H1,H2アイソフォームの量の変化の程度と腫瘍径、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無などの臨床病理学的因子との相関性は認められなかった。しかし、腺癌においてはH1,H2両アイソフォームとも増加率は分化型に比して低分化型で著明であり、この蛋白の発現の程度は腫瘍の分化度と相関性のあることが確認された。同様の方法で子宮体部癌における検討を行い、この蛋白の発現は臨床病期や腫瘍径等とは相関せず、組織学的分化度と相関することを見いだした。さらに、in situ hybridizationを行うべく、H1,H2アイソフォームに特異的なcRNAプローブの作製も完了し、来年度は組織内の分布等についても検討する予定である。また、ヒト各種正常組織におけるこれら蛋白の発現、分布等も検討する予定である。
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Research Products
(1 results)