1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトサイトメガロウィルス感染症の感染動態のウィルス病理学的解析
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07670226
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Research Institution | AIDS RESEARCH CENTER,NATIONAL INSTITUTE OF HEALTH |
Principal Investigator |
佐多 徹太郎 国立予防衛生研究所, エイズ研究センター, 室長 (00162397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 毅 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 部長 (50012779)
岩崎 琢也 国立予防衛生研究所, 感染病理部, 室長 (90146027)
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Keywords | ヒトサイトメガロウイルス / IE1蛋白 / IE抗体 / サイトメガロウイルス肺炎 / 網膜色素上皮細胞 |
Research Abstract |
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染組織内のウイルス局在と感染時期を把握するための方法および有用な抗体やプローブを開発すること、および宿主細胞の性状を検索し、両者の結果から、HCMV感染症の病変・病態形成機序を明かにすることを目的とした。 HCMV前初期遺伝子(IE)群には数種存在するので、IE遺伝子群のIE1とIE2遺伝子を区別可能なExon4と5をPCR cloningし、GST融合蛋白として大腸菌で発見した。それぞれの蛋白を用いたWestern解析の結果、モノクローナル抗体(E5)がIE2蛋白のC末端近傍のエピトープを認識することが明らかとなった。またIE1を発現しウサギ抗体を作成した。この抗体はHCMV感染部検組織で、より効率良く、ウイルス感染細胞を検出しえた。またE5はmicrowave処理後の切片でより高感度にウイルス感染細胞を検出できることが判明し、IE1抗体とともに、細胞の形態変化を伴うものはもちろん、形態変化を伴わない感染初期細胞が、肺の切片中の間質ないし肺胞隔に多数存在する例のあることが明らかとなった。エイズ部検例のHCMV感染例を中心としてその発症病理を解析し、肺胞隔におけるこれらの抗原陽性細胞の存在が、治療の対象となる真のHCMV感染症であることを明らかにした。また、以上の抗体とプローブを用いて、網膜色素上皮細胞培養系でのウイルス増殖について検討し、IE1およびIE2抗原が検出できても後期抗原を検出しにくいが、培養液中の血清を除去するとより後期抗原が検出できることを発見し、上皮細胞系でのウイルス増殖が線維芽細胞系とは若干異なることおよび血清中の何らかのfactorがウイルス増殖に影響を与えている可能性を明らかにした。現在、IE1、IE2遺伝子および後期遺伝子によるRNAプローブを作成し、遺伝子発現の方向からHCMV感染組織を用いて検討を続けている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 佐多徹太郎: "KSHV(Kaposi's sarcoma-associated herpers virus)-遺伝子断片の発見からHHV88となるまで-" 医学のあゆみ. 177. 1234-1239 (1996)
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[Publications] 佐多徹太郎: "エイズ患者からみつかったウイルス" 病理と臨床. 14. 221-224 (1996)
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[Publications] Sata T et.al: "Enhanced cytopathic effect of human cytomegalovirus on a retinal pigment epithelium cell line,K1034." Archive of Virology. (発表予定). (1997)
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[Publications] 佐多徹太郎他: "ヘルペスウイルス感染症.分担.ヘルペスウイルス感染症の病理" 臨床医薬研究会, 284.(8) (1996)
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[Publications] 佐多徹太郎他: "ウイルス実験プロトコール,分担.サイトメガロウイルス" メジカルビュー, 360 (1995)