1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670234
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
北川 昌伸 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10177834)
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Keywords | レトロウイルス / Fv-4 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
レトロウイルス感染に対する治療モデルの確立を目指して実験を進めた。その経過で、フレンド白血病ウイルス(FLV)に対して抵抗性を示す宿主遺伝子の一つであるFv-4^r遺伝子産物は、細胞外へとreleaseされている、cell-freeの状態で存在するFv-4^r遺伝子産物は、ecotropic MuLV receptorを介して、細胞表面に結合しうる、Fv-4^r遺伝子産物がMuLV receptorに結合することによって、同じレセプターを介するウイルスの細胞への結合は阻害される、という非常にユニークな機構で作用していることを明らかにした。この様な機構で作用する遺伝子のを用いると、遺伝子治療を行う上で非常に有利である。 1)Fv-4^r遺伝子の発現様式の解析:まず、Fv-4^r遺伝子をもつC4Wマウスにおいてこの遺伝子産物の臓器分布を免疫組織化学的にみると、造血細胞、腺組織の一部に発現を認めることがわかった。さらに、遺伝子産物に対するモノクローナル抗体で免疫電顕的に染色すると、胸腺ではほとんどの細胞で細胞表面に発現しており、また、唾液腺では、細胞表面のほか、endoplasmic reticulum(ER)にも分布していた。さらに、フローサイトメトリーを用いて、造血細胞における発現を詳しく検索すると、遺伝子産物は、赤芽球系細胞、顆粒球系細胞、Tリンパ球、Bリンパ球、何れにおいても強く発現していることがわかった。 2)次に、遺伝子治療を行うための第一段階として、遺伝子導入のための準備実験を行った。パッケイジング細胞としてampli-GPEを用い、SFFVのLTRの間にFv-4r遺伝子を入れたコンストラクトを導入し、プロヂューサー細胞を得た。LE750というC3Hマウス由来の白血病細胞にEv-4r遺伝子を導入してきた13-1、13-13という細胞は、細胞表面に70-75kDのFv-4r遺伝子産物を発現した。さらに導入効率を上げ、in vivo で遺伝子産物を発現させる実験を進行中である。
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[Publications] Masanobu Kitagawa,et al.: "Cell-free transmission of Fv-4 resistance gene product controlling Friend leukemia virus-induced leukemogenesis." Blood. 86. 1557-1563 (1995)
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[Publications] Masanobu Kitagawa,et al.: "Epstein-Barr virus infection is not frequent in bone marrow from patient with myelodysplastic syndromes." European Journal of Haematology. 55. 199-201 (1995)