1996 Fiscal Year Annual Research Report
bcl-2蛋白を介する細胞内アポトーシス制御機構の解析
Project/Area Number |
07670238
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Research Institution | MIE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 滋己 三重大学, 医学部, 講師 (90252345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗林 景容 三重大学, 医学部, 教授 (10064578)
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Keywords | bcl-2 / アポトーシス / 細胞内活性酸素 / ミトコンドリア膜透過電位 |
Research Abstract |
1.Bcl-2蛋白の発現によるアポトーシスの抑制 ヒトT細胞白血病株化細胞CEM-C7及びB細胞リンパ腫株化細胞MBC-1のbd-2トランスフェクタントを用い種々の細胞死誘導因子に対するbcl-2のアポトーシス抑制効果について検討した。H_2O_2による細胞死誘導に於いてはbd-2蛋白発現量に相関してアポトーシス抵抗性を認めたがBリンパ腫由来MBC-1でより相関性が高かった。デキサメサゾンによるT細胞の細胞死誘導でもbd-2トランスフェクタントで抵抗性を示したがbcl-2蛋白発現量との相関性は明らかでなかった。同様に抗IgM抗体によるB細胞の細胞死誘導でもbd一2のアポトーシス抑制効果は認められたが発現量に相関性はなく、細胞、誘導因子によりbd-2のアポトーシス抑制効果に多様性がみられた。Bcl-2蛋白は細胞死の細胞内シグナル伝達経路に複雑に関与すると考えられた。 2.細胞内レドックス環境、小器官安定性とBcl-2蛋白の発現に関する検索 蛍光色素を用いた細胞内活性酸素及びミトコンドリア膜透過電位の検索ではbd-2蛋白発現量と細胞死抑制効果に相関性が認められたMBC-1においてH_2O_2による細胞死でbcl-2トランスフェクタントに有意の差はみられなかった。一方T細胞CEM-C7のH_2O_2による細胞死誘導ではトランスフェクタントに活性酸素の産生抑制がみられたがその程度はBd-2蛋白の発現量には相関しなかった。CEM-C7に対するデキサメサゾン、MBC-1に対する抗IgM抗体の細胞死誘導では誘導早期に細胞内活性酸素、ミトコンドリア膜透過電位ともにトランスフェクタントで有意差を認めなかった。以上よりBcl-2蛋白のアポトーシス抑制は細胞死誘導の早期に於いて活性酸素抑制を通じて作用している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshihiro Komada: "Apoptotic cell death induced by anti-IgM antibody and phorbol esters is inhibited by Interleukin-4 in human B lymphoma cell line MBC-1." Cellular Immunology. 159. 280-293 (1994)
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[Publications] Shinichi Kitada: "Reversal of chemoresistance of lymphoma cells by antisense-mediatedreduction of bcl-2 gene expression." Antisense Res.and Devlop.4. 71-79 (1994)
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[Publications] Wang HG: "Apoptosis regulation by interaction of Bcl-2 protein and Raf-1 kinase." Oncogene. 9. 2751-2756 (1994)
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[Publications] Yoshihiro Komada: "Fas Receptor(CD95)-mediated apoptosis is induced in leukemic cells entering G1B compartment of the cell cycle." Blood. 86. 3848-3860 (1995)