1995 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣顆粒膜細胞/黄体細胞の分化抗原の同定とその解析
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07670242
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 道之 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (20027329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 京都大学, 医学部, 講師 (30252456)
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Keywords | 卵巣顆粒膜細胞 / 分化抗原 / インテグリン / 黄体細胞 |
Research Abstract |
卵胞および黄体の主要構成細胞である顆粒膜細胞と莢膜細胞は、卵胞発育、卵胞閉鎖、黄体形成および黄体退縮にともなって、自ら増殖、分化、細胞死を周期的に繰り返す極めて特徴的な内分泌細胞である。 本課題において、我々は卵巣顆粒膜細胞に着目し、広く細胞生物学に適用出来る細胞の増殖、分化の新たな制御機構の一つのモデルを確立するため、顆粒膜細胞と黄体細胞の新たな分化抗原を単クローン抗体作成法を利用して同定、解析した。 本年度、明らかにしたことは、ヒト顆粒膜細胞を抗原として作成した幾つかの単クローン抗体の一つで同定された、顆粒膜細胞の分化抗原であるOG-1抗原をヒト胎盤組織よりインムノアフィニティー法を利用して精製し、SDS-PAGEにより120KDaの単一バンドを得た。この120KDaバンドをPVDF膜に転写しアミノ酸分析装置によりN末端からのアミノ酸配列を分析したところN末からの16個のアミノ酸がインテグリンα6の重鎖のそれと同一であることが明らかとなった。インテグリンα6はインテグリンβ1、β4分子とヘテロダイマーを形成することから、α6、β1、β4分子の組織分布を調べた。その結果、それらの発現様式は卵巣組織でのOG-1の発現とよく相関し、α6とOG-1の分子量もほぼ同じであることから、OG-1抗原はインテグリンα6分子であると結論した。OG-1とは独立に作成した。ブタ顆粒膜細胞に対する単クローン抗体の一つにより認識される分化抗原であるPOG-2抗原も抗原精製し、N末からのアミノ酸配列を調べたところ、16個のアミノ酸中14個はインテグリンα6と同一であり、分子量も近似していることから、POG-2分子もブタのインテグリンα6と結論した。インテグリン分子は細胞増殖、分化の制御に重要な役割を果たしていることが近年、幾つかの細胞系で指摘されてきており、現在、上記の系で検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Honda T, Fujiwara H, Ueda M, Maeda M and Mori T.: "Integrin α6 is a differentiation of human granulosa cells" J. Clin. Endocrinol. Metab.80. 2899-2905 (1995)
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[Publications] Fujiwara H, Ueda M, Takakura K Mori T and Maeda M.: "A porcine homolog of human α6 is a differentiation antigen of granulosa cells" Biol. Reprod.53. 407-417 (1995)
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[Publications] Hattori N, Ueda M, Fujiwara H, Fukuoka M, Maeda M and Mori T.: "Human luteal cells express leukocyte functional antigen(LFA)-3." J. Clin. Endocrinol. Metab.80. 78-84 (1995)
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[Publications] Imai K, Maeda M, Fujiwara H, Ueda M, Fukuoka M, Takakura K, Kanzaki H and Mori T.: "A mouse monoclonal antibody, S2n8, detects a 140KD protein on the surface of human endometrial stromal cells and decidual cells." Human Reprod.10. 1311-1318 (1995)