1997 Fiscal Year Annual Research Report
VCAM-1を介する赤芽球とマクロファージの接着複合体(赤芽球島)の機能的意義
Project/Area Number |
07670262
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Research Institution | KAWASAKI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
定平 吉都 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30178694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 立二 岡山大学, 医学部, 教授 (30092357)
和田 秀穂 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70191830)
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Keywords | マクロファージ / 赤芽球造血 / サイトカイン / 脾臓 / 肝臓 / マウス |
Research Abstract |
[目的]赤脾髄や肝臓マクロファージの一時的な消失をもたらすMDP-liposomeを,脱血刺激を加え赤芽球造血を亢進させたマウスに静注すると,赤脾髄の赤芽球造血がCFU-Eレベルで完全に抑制される。この実験系は赤芽球造血におけるマクロファージの役割を知る実験モデルとなると考えられ,今回はサイトカインの関与を検討した。 [方法と結果]組織のサイトカインの発現はRT-PCR法で検索した。脱血刺激+MDP-liposome投与群の腎臓では,コントロールの脱血刺激群でみられたEPO(erythropoietin)発現の一過性亢進は明瞭でなかった。脾臓においては,脱血刺激群に比べ,SCF(stem cell factor),IL-6の発現低下が見られたが,TNF-αに差はみられなかった。肝臓ではEPOの発現はみられず,他のサイトカインの発現にも差はなかった。一方,脱血刺激+MDP-liposome投与群にSCF,IL-6+SCF,EPOを投与した場合には、多量のEPOを投与した場合にのみ赤芽球造血の部分的な回復がみられた。 [考察]以上の結果はMDP-liposomeによる赤芽球造血の抑制には腎におけるEPO産生変動や赤脾髄マクロファージ消失など複数の因子が関与していることを示唆している。
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Research Products
(1 results)