1995 Fiscal Year Annual Research Report
幼虫特異的に発現する犬糸状虫抗原遺伝子の転写制御因子に関する研究
Project/Area Number |
07670274
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
菅根 一男 信州大学, 医学部, 教授 (50112488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久晴 信州大学, 医学部, 助手
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Keywords | 犬糸状虫 / 抗原遺伝子 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
犬糸状虫抗原遺伝子(Dg2)のstage-specificな発現機構の解析が本研究の目的であるが、Dg2には転写開始点から151の位置までの領域しか含まれていないため、さらに上流領域をクローニングする必要があると思われた。そこで、新たにgenomic DNA libraryを作成し、exon 1の領域をプローブとしてスクリーニングを行った。得られた5つの陽性クローンについて制限酵素地図を作成した結果、すべて同じ遺伝子であることが確かめられた。これらを制限酵素で処理した後exon 1の領域をプローブとしてSouthern解析を行い、強くハイブリダイズするDNA断片の一部の塩基配列を解析したところ、Dg2とは異なる配列が見出された。これまでに解析した2974塩基に含まれる4つのexonの配列はDg2と97%の相同性を有するにも関わらず、exonの長さ、そしてintronの位置、長さおよび配列に大きな違いが認められた。exonの配列はDg2とほぼ同じであることから、今回得られたクローンは偽遺伝子ではなくファミリーの一つであると考えられる。現在、この遺伝子が機能していることを確かめるため、primer extensionによる発現様式の確認を行っている。犬糸状虫由来遺伝子の機能解析を犬糸状虫の無細胞転写系を用いて行う予定であったが、幼虫を大量に得ることが非常に困難であるため、C.elegansの無細胞転写系の利用を検討している。線虫類の無細胞転写系の報告はこれまで皆無であったが、1995年にC.elegansで初めて報告され、ヘテロの系ではあるが犬糸状虫抗原遺伝子の機能解析にも利用出来ることが期待される。現在、大量培養したC.elegansより虫卵を回収し、転写活性を有するnuclear extractの調製を試みている。
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