1996 Fiscal Year Annual Research Report
幼虫特異的に発現する犬糸状虫抗原遺伝子の転写制御因子に関する研究
Project/Area Number |
07670274
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
菅根 一男 信州大学, 医学部, 教授 (50112488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久晴 信州大学, 医学部, 助手 (40281042)
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Keywords | Dirotilaria immitis / immunodominant antigen / promoter |
Research Abstract |
我々は、犬糸状虫症患者血清と反応するimmunodominant antigenをコードするcDNA(cD34)およびゲノムDNA(Dg2)をクローニングし、この遺伝子は幼虫特異的に発現するstage-specificityを示すことを以前報告した。Dg2の発現制御機構を解析するために必要な上流領域をクローニングするため、新たに作成したgenomic DNA libraryをcD34のexon1およびexon2の一部を含むDNA断片をプローブとしてスクリーニングを行ったところ、5つの陽性クローンが得られた。制限酵素地図を作成したところ、これらはすべて同一の遺伝子であることが判明した。これらのうち2つのクローンより8268bpの塩基配列(DgK)および転写開始点の解析を行ったところ、転写開始点より149bpを除くexon領域の配列はDg2と同じであるにも関わらず、exonの長さ、intronの位置と配列に大きな違いが認められた。ミクロフィラリア、雄および雌成虫より抽出したゲノムDNAを用いたSouthern blot解析およびDg2とDgKに共通なプライマー(長さの異なるintronを挟む)を用いたPCRの結果から、Dg2とDgKは同時には存在せず、ファミリーを構成していないと考えられた。次ぎに、DgKの発現制御機構を解析するため、1837から+1329の領域をCaenorhabditis elegans用レポーターベクター、pPD21.28へ組み込んだプラスミドを作成した。これをC.elegansへ微注入し、11日後にlacZ染色を行ったところ、消化管において特異的に発現している個体が認められた。このことから、C.elegansの系は寄生線虫の遺伝子解析にも利用できるものと思われる。
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