1996 Fiscal Year Annual Research Report
赤痢アメーバに対するヒトモノクローナル抗体のファージ発現系による作製
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07670292
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
橘 裕司 東海大学, 医学部, 助教授 (10147168)
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Keywords | 赤痢アメーバ / モノクローナル抗体 / Fab / ファージディスプレイ / 発現ベクター |
Research Abstract |
新たに開発した発現ベクターを用い、赤痢アメーバに対するヒトモノクローナル抗体の作製を試みた。また、ベクターの評価を目的に、ハイブリドーマを出発材料にして大腸菌によるマウスモノクローナル抗体の作製について検討した。 1.マウスFabの作製 赤痢アメーバ表面の150-kDa抗原を認識するマウスモノクローナル抗体EH3015(κ型L鎖を持つ1gG1)を産生するハイブリドーマよりmRNAを単離した。マウスFab増幅用のプライマーを作製し、γ1型H鎖のFb領域とκ型L鎖をコードする遺伝子をRT-PCRにてそれぞれ増幅した。増幅産物を組み込んだ発現ベクターから、ファージの外被蛋白をコードするGIII部分を除いて大腸菌に導入し、可溶性のFabとして発現させた。このFabは、ELISA、間接蛍光抗体法、ウェスタンブロット法において、ハイブリドーマが産生する抗体と同様の特異性を示し、in vitro系において赤痢アメーバのヒト赤血球に対する接着能と貧食能を抑制できた。従って、このベクターは抗体遺伝子の発現に有用であると思われた。 2.ヒトFabの作製 赤痢アメーバに対して比較的高い抗体価を持つヒトのリンパ球からmRNAを単離し、ヒトのH鎖(γ)とL鎖(κ、λ)のFab領域をコードする遺伝子を増幅した、κ鎖とγ鎖をコードする遺伝子断片を発現ベクターに取組んで大腸菌にトランスフォームし、ヘルパーファージを感染させてファージディスプレイライブラリーを作製した。赤痢アメーバの粗抗原を用いて3回のパニングを行った後、GIII部分を除いて大腸菌に導入し、可溶性のFabとして発現させた。弱陽性も含めると、約42%のクローンが抗赤痢アメーバヒト抗体を産生していることが確認された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] W.L.Rivera et al.: "Differentiation of Entamoeba histolytica and E.dispar DNA from cysts present in stool speciments by polymerase chain reaction : its field application in the philippines." Parasitology Research. 82(7). 585-589 (1996)
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[Publications] 佐原啓二他: "静岡県内の知的障害者施設における赤痢アメーバ症" 感染症学雑誌. 70(1). 1-6 (1996)
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[Publications] 橘裕司: "赤痢アメーバの感染と発症" 感染症と化学療法. 3(4). 52-56 (1996)
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[Publications] H.Tachibana et al.: "Differentiation of Entamoeba histolytica from E.dispar facilitated by monoclonal antibodies against a 150-kDa surface antigen." Parasitology Research. 83(印刷中). (1997)
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[Publications] X.-J. Cheng et al.: "Monoclonal antibody against the 150-kDa surface antigen of Entamoeba histolytica inhibits adherence and cytotoxicity to mammalian cells." Medical Science Research. 25(印刷中). (1997)