1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670297
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 徹 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80235655)
|
Keywords | ウェルシュ菌 / Clostridium perfringens / 病原性 / 遺伝子発現調節 / 毒素 |
Research Abstract |
申請時に提出した計画書の通りに実験を行ない、以下の結果を得たので報告する。 1.ウェルシュ菌の毒素遺伝子の発現にvirR遺伝子が及ぼす影響 ウェルシュ菌のθ-毒素以外の毒素(コラゲナーゼ,α-毒素)の転写が、以上の実験が明らかになったネットワークによってどのように調節されているかを、主としてノーザンブロット法によって調べた。virR/virSシステムはこれらの毒素遺伝子の発現を転写のレベルで正に調節しており、いわゆるvirレギュロンを構築していることが明らかとなった。 2.virR遺伝子によって調節されるプロモーター部位の解析 ウェルシュ菌virR遺伝子変異株(TS133)を用いて、virR/virS遺伝子によって調節をうけるプロモーター部位をprimer extension法を用いて解析した。θ-毒素遺伝子(pfoA)、κ-毒素遺伝子(colA)およびα-毒素遺伝子(plc)のプロモーター部位をプライマー伸張法を用いて解析した。いずれの遺伝子にもvirR/virS遺伝子によって正に調節されるプロモーターが存在したが、これらのプロモーター付近にはvirRタンパクが結合すると思われる共通の塩基配列は存在しなかった。よって、virRタンパクは他の二次的調節因子を介してこれらの毒素遺伝子を調節するか、もしくはvirRタンパクの結合部位がそれぞれ異なっている可能性が考えられた。この点についてはさらに解析が必要と考えられた。 3.virR遺伝子とpfoR遺伝子との関係 ウェルシュ菌の毒素産生に関わる2つの調節遺伝子(virR/SとpfoR)が独立して個々の病原遺伝子を調節しているのか、あるいはカスケードになって調節しているのか、を調べるためにvirR遺伝子変異株においてpfoR遺伝子の転写産物をノーザンブロット法にて解析した。その結果、virR遺伝子変異株においてpfoP遺伝子のmRNAが著しく減少しており、virR遺伝子がpfoR遺伝子をまず調節し、つぎにpfoR遺伝子がθ-毒素遺伝子(pfoA)を調節するという一連の調節カスケードを構成していることが強く示唆され、ウェルシェ菌の毒素産生調節には複雑な調節ネットワークが関与しているものと考えられた。
|
-
[Publications] T. Kobayashi: "Transcriptional analysis of the β-galactosidase gene(pbg) in clostridium perfringens" FEMS Microbiol. Lett.133. 65-69 (1995)
-
[Publications] T.Shimizu: "Sequence analysis of flanking regions of the pfoA gene of Clostridium perfringens : β-galactosidese gene(pbg) is located in the 3-flanking region" Microbiol. Immunol.39. 677-686 (1995)
-
[Publications] T. Shimizu: "Characterizaton of a tohin-deficient Clostridium perfringens strain, KZ 1340" Microbiol. Immunol.40. 141-145 (1996)
-
[Publications] W. Ba-Thein: "The virR/virS locus regulates the transcription of gevus eucoding extvacellulav Toxin production in Clostridium pertringens" J. Bacteviol.(in press).