1995 Fiscal Year Annual Research Report
腸炎ビブリオのtoxR遺伝子およびtdh遺伝子の発現調節機構の解析
Project/Area Number |
07670308
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西渕 光昭 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50189304)
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Keywords | ビブリオ / 腸炎ビブリオ / 遺伝子の発現調節機構 / 溶血毒 / 毒素 |
Research Abstract |
本研究では、計画・方法に示したようにtdh遺伝子、toxR遺伝子、およびhtpG遺伝子とレポータ遺伝子との融合遺伝子を作製し、大腸菌および腸炎ビブリオの遺伝学的背景におけるこれらの融合遺伝子の発現をモニターした。 得られた知見のうち、最も興味深いものは、toxR遺伝子の転写レベルが菌の環境条件に影響を受けることである。しかもtoxR遺伝子の転写は、腸炎ビブリオでは、コレラ菌の場合と異なり、隣接する熱ショック蛋白遺伝子(htpG)の転写とまったく競合しないで、独立して転写調節が行われているということである。その理由としては、toxR-htpG遺伝子間のスペースが腸炎ビブリオの場合、コレラ菌の場合より長く、両遺伝子のプロモーター領域が充分離れて存在する可能性があげられる。今後この可能性を検証するため、両遺伝子のプロモーターの位置を確定する予定である。 上記の成績から、腸炎ビブリオにおいては、toxR遺伝子の転写に与える他の遺伝子産物の影響を、ストレートにモニターできることが明らかになった。すなわち、htpG遺伝子の転写に関与する含δ^<32>RNAポリメラーゼの作用を除外して考えることができる。現在までに得られた結果では、toxR遺伝子の転写は、tdh遺伝子産物の影響は受けないと判断される。しかし、その他の遺伝子産物がtoxR遺伝子の転写に影響を与えることを示唆する成績が得られている。今後このような遺伝子について詳しく解析したい。特に遺伝子の構造と機能(toxR遺伝子領域内でのDNA結合能)を明らかにし、toxRの転写を中心とする発現調節カスケードの解析へと発展させたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nishibuchi, M.: "The thermostable direct hemolysin gene (tdh) of Vibrio hollisae is dissimilar in Prevalence to and Phylogenetically distant from the tdh genes of other vibrios: implications in the horizontal thahster of the tdh gene" Microbiol. Immunol.40(1). 59-65 (1996)
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[Publications] 西渕光昭: "環境中に分布する病原性ビブリオの由来-コレラ菌と腸炎ビブリオの分子遺伝学的研究の成果が示唆するもの-" 日本細菌学雑誌. 51(3)(印刷中). (1996)