1995 Fiscal Year Annual Research Report
腸炎ビブリオにおける鉄獲得系発現の病原学的並びに分子遺伝子学的研究
Project/Area Number |
07670312
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 重雄 岡山大学, 薬学部, 助教授 (40033229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
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Keywords | 腸炎ビブリオ / 鉄獲得 / 病原因子 / 鉄制御遺伝子 / シデロフォア / ヘム鉄 / Furレギュロン / 外膜レセプター |
Research Abstract |
1.Fur遺伝子のクローニングと解析:他菌種のfur塩基配列を参考にして作成したプライマーを用い,本菌におけるfur PCR産物を得た。RIラベルしたPCR産物をプローブとしてサザーン分析し,furをクローン化した。しかし,塩基配列を決定したところ,fur全遺伝子をコードしていないことが判明したので,下記の腸炎ビブリオFur欠損株や大腸菌Fur欠損株を相補することに基づいて,全遺伝子をクローニングするとともに,発現されるFur蛋白を精製すべく検討中である。 2.Fur欠損株の作成:Mn耐性株をスクリーニングし,それらの中からvibrioferrin産生やレセプター蛋白が脱鉄制御された株を得た。1)及び2)の結果から本菌におけるFurレギュロンの存在が明らかとなった。 3.Fur(鉄欠乏)と溶血毒遺伝子発現との関連性の解明:本菌種には耐熱性溶血毒(TDH)とその類似溶血毒(TRH)を産生する株が存在する。それぞれの溶血毒のみを産生する株と,それらから選抜したFur欠損株について溶血毒産生量を求めた。親株はいずれも鉄欠乏時にTDHあるいはTRHの産生が顕著に増加した。さらに,Fur欠損株では鉄豊富時にも溶血毒の産生の増加が認められ,本毒素遺伝子の発現がFurレギュロンの一環であることが判明した。特に,TRHの産生はより強く鉄制御されている可能性が示された。既に塩基配列の決定されているそれぞれの遺伝子を解析し,プロモーター領域にFur box様配列を認めた。さらに,最近報告された本菌のプロテアーゼ遺伝子にもFur box様配列が認められたので,上記作成菌株を用いてプロテアーゼ産生の鉄制御機構についても検討を広げる予定である。 4.鉄制御外膜レセプター蛋白欠損株の作成:機能的にヘミン鉄を利用できない変異株を多数選抜したが,ヘミン鉄レセプター欠損株はまだ得られていない。Vibrioferrin-鉄レセプター欠損株の作成と併せて,方法論の変更が望ましく,現在鋭意検討中である。
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