1995 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌が産生するADPリボシルトランスフェラーゼEDINの作用機序
Project/Area Number |
07670313
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅井 基行 広島大学, 歯学部, 助教授 (10201568)
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Keywords | EDIN / Rho / 低分子量G蛋白質 |
Research Abstract |
研究代表者はEDINのVero細胞に及ぼす影響について検討し、EDINがVero細胞のゴルジ体を解離させることを見出している。この作用はbrefeldinAとよばれる細胞内膜系に影響を与える抗生物質の作用と酷似しているが、rho p21がどのような形でこの作用に関係しているのかは明らかにされていない。研究代表はVero細胞を用いてEDINの基質について検討し、Vero細胞が等電点の異なる複数の基質を有することを明らかにした。またこの基質は、細胞膜、細胞質の両方に存在することが明らかになった。またbrefeldinA処理あるいはEDIN処理によって細胞膜画分のEDIN基質は蔗糖密度勾配遠心分画法によって比重の大きなゴルジ体領域から比重の軽い方へ移動することが明らかとなった。大腸菌で発現させたrhoAを部分精製した後、Vero細胞にマイクロインジェクトして、細胞の形態変化について検討した。その結果マイクロインジェクションによって細胞形態の変化が認められた。また本実験を遂行中に、Rhoのシグナル伝達における下流にフォスファチジルイノシトール3キナーゼが存在することが報告され、血小板膜を用いた再構成実験系でEDINがフォスファチジルイノシトール3キナーゼ活性を抑制することを明らかにした。またEDINはカルバコールによって引き起こされる回腸平滑筋収縮を阻害することを見出した。
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[Publications] Zhang, J.: "Sequestration of a G-protein β γ subunit orADP-ribosylation of rho can inhibit thrombin-induced activation of platelet phosphoinositide" Journal of Biological Chemistry. 270. 6589-6594 (1995)
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[Publications] 菅井基行: "黄色ブドウ球菌が産生する表皮細胞分化抑制因子(EDIN)の発見及びその作用機序についての研究" 日本細菌学雑誌. 50. 937-946 (1995)
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[Publications] 菅井基行: "低分子量G蛋白質Rhoを修飾する細菌毒素スーパーファミリー" 広島大学歯学雑誌. 27. 467-468 (1995)
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[Publications] Gong, M. C.: "Role of guanine nucleotide-binding proteins-ras-family or trimeric proteins or both in Ca^<++>sensitization of smooth muscle." Pro. Natl. Acad. Sci. USA.93. 1340-1345 (1996)