1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト正常胃上皮細胞におけるEpstein-Barrウイルス感染と癌化機構解析
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07670334
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今井 章介 北海道大学, 医学部, 講師 (60232592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅香 正博 北海道大学, 医学部, 教授 (10113507)
杉浦 亮 北海道大学, 医学部, 助手 (20241317)
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Keywords | Epstein-Barr virus / 胃癌 / 潜伏感染遺伝子発現 / immunoblotting / RT-PCR |
Research Abstract |
EBウイルス(EBV)はバ-キットリンパ腫,免疫抑制患者に頻発する日和見Bリンパ腫といったB細胞腫瘍に加え,上咽頭癌,さらに近年報告が相ついでいる胸腺,肺に発生するリンパ上皮腫など上皮性腫瘍への関連も示されつつある.しかしBリンパ球でのEBV発癌に関する解析の進展に比べ,上皮性細胞を場とするEBV感染から癌化に至る条件,過程ならびにそのリスク要因に関する知見は,実験的感染が成功しておらず極めて乏しい.1991年米国より胃原発腺癌の一部がEBV陽性であることが報告された.これとほぼ同様に我々も本邦胃癌例でのEBV学的検索を開始,1200を越える症例での検討結果から低〜高分化型腺癌を問わずその約7%がEBV陽性であり(稀な組織型であるリンパ上皮腫様未分化型腺癌ではEBV陽性率は90%以上に達する),これら胃癌では(1)全ての癌細胞にEBVゲノムが存在・発現され,(2)EBV感染癌細胞は単クローン性に増殖し,(3)患者血清EBV抗体価が著しい異常を呈することを明らかにし,胃原発腺癌の有意例数が新たなヒトEBV腫瘍として位置付けられる可能性を報告した. 以上に基づき,本研究は胃上皮細胞癌化過程に重要なEBV遺伝子の同定と細胞側遺伝子への作用を検討することを目的とし,以下の成績を得た.癌細胞ではEBER以外にEBV特異核抗原(EBNA)1,BARF0遺伝子が全例で発現され,膜抗原(LMP)2Aが約40%の例で検出されたが,一方,EBNA2〜6,LMP1および2Bは陰性であった.またEBNA遺伝子は,最近新たに同定されたBamHI-Qプロモーターから転写が開始されていることも明らかにした.この様な選択的EBV遺伝子発現は,従来知られるEBV腫瘍に比べユニークなものであり,癌細胞がEBV特異的細胞性免疫に極めて認識され難い状態にあることを強く示唆する.現在我々はEBV陰性胃癌細胞株への実験的EBV感染に成功,EBVの悪性形質賦与機構解明について更に検討中である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Iwanaga M,Imai,S,et al.: "Prevalence of human T-cell leukemia virus type 1(HTLV-I)in family members of adult T-cell leukemia(ATL)patients in non-ATL-endemic Hokkaido Japan." In Vivo. 9. 49-54 (1995)
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[Publications] Imai S,Sugiura M,et al.: "Epstein-Barr virus-carrying and -expressing T-cell lines established from severe chronic active EBV infection." Blood. 87. 1446-1457 (1996)
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[Publications] Harabuchi Y,Imai S,et al.: "Nasal T-cell lymphoma causally associated with Epstein-Barr virus:clinicopathologic,phenotypic,and genotypic studies." Cancer. (in press).
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[Publications] Sugiura M,Imai S,et al.: "Transcriptional analysis of Epstein-Barr virus gene expression in EBV-positive gastric carcinoma:unique viral latency in the tumour cells." Br.J.Cancer. (in press).