1996 Fiscal Year Annual Research Report
抗体遺伝子のエンハンサー活性と体細胞突然変異発現に関する研究
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07670377
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
東 隆親 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (00028234)
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Keywords | 体細胞突然変異 / エンハンサー / 免疫グロブリン遺伝子 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
本研究では、以前に作成したIgH鎖遺伝子のプロモーターとEμで発現が制御されるレポーター遺伝子としてCAT遺伝子を導入したトランスジェニックマウスのB細胞を用いてB細胞の刺激によるEμ活性の変化を調べた。 CATマウスのrestingのB細胞をin vitroで抗μ鎖抗体で刺激するとCAT活性が20-30%に低下した。一方、LPSによる刺激では120-130%の活性を示したことから、B細胞の刺激による分化状態によりEμの転写活性の抑制あるいは増強が見られることが解った。一方、このようにin vitroで刺激したB細胞をAg8-653あるいはNS-1細胞と細胞融合を行いハイブリドーマを調製すると大部分のクローンでCAT活性が認められなかったことから、プラズマ細胞ではEμが停止していることが予想された。さらに、in vivoで抗原刺激後調製したハイブリドーマでは、endogenousのH鎖は産生されているにもかかわらず、CATの発現は停止していることから、これらの細胞においては、Eμは停止しており、3‘エンハンサーによりH鎖遺伝子の発現が維持されていることが示唆された。 抗原刺激を受けたB細胞は、脾臓やリンパ節で胚中心を形成し、体細胞突然変異が誘導される。このような胚中心B細胞はピ-ナッツレクチン(PNA)との反応性が高い(PNAhi).NP-CGGで免疫したCATマウスの脾臓B細胞をFACSを用いB220陽性PNAhiのB細胞を分画してCAT活性を調べると、活性は増大していることから、体細胞突然変異が活発に誘導されている胚中心B細胞では高いEμ活性が保たれていることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] L.B.Dustin,E.D.Bullock,Y.Hamada,T.Azuma,& D.Y.Loh.: "Antigen-driven differentiation of naive Ig-transgenic B cells in vitro" Journal of Immunology. 154. 4936-4949 (1995)
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[Publications] Y.Kaneko,N.Okada,L.Baranyi,T.Azuma,& H.Okada: "Antagonistic peptides against human anaphylatoxin C5a." Immunology. 86. 149-154 (1995)
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[Publications] M.Taketani,A.Naitoh,N.Motoyama,& T.Azuma: "Roles of Conserved amino acid residues in the comlemetarity determining regions on hapten-antibody interaction of anti- (4-hydroxy-3-nitrophenyl) acetyl antibodies." Molecular Immunology. 32. 983-990 (1995)