1996 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系細胞の分化とアポトーシスにおけるチロシンキナーゼの機能
Project/Area Number |
07670387
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Research Institution | The Kitasata Institute |
Principal Investigator |
片桐 拓也 社団法人北里研究所, 基礎研究所, 室長 (70126100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
柿沼 志津子 (社)北里研究所, 基礎研究所, 研究員
松井 英則 (社)北里研究所, 基礎研究所, 室長補佐 (30219373)
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Keywords | 免疫 / 分化 / アポトーシス / チロシンキナーゼ / Fyn / MRL / lprマウス / レチノイン酸 / HL-60 |
Research Abstract |
1.チロシンキナーゼFynを欠失した(ノックアウトマウス)自己免疫マウスMRL/1prを作成してそれを解析した結果、免疫複合体性糸球体腎炎と全身性リンパ節腫脹が軽減され延命することが明らかとなった。更に、こうした疾患の抑制は、チロシンキナーゼFynが自己反応性Tリンパ球クローンの増幅とIgG3型抗DNA自己抗体の産生に機能することが原因であることを示した。本研究から、チロシンキナーゼFynの新たな機能が明らかになるとともに、Fynが全身性自己免疫疾患治療の標的となりうることが判明した。 2.前骨髄球性白血病細胞株HL-60の分化誘導におけるチロシンキナーゼの役割を解析する過程で、HL-60細胞をレチノイン酸で好中球へと分化誘導するとき、チロシンキナーゼ阻害剤を共存させるとアポトーシスを生じて死に至ることを見いだした。更に、チロシンキナーゼLynとFgrとが分化誘導において抗アポトーシス作用を営んでいることを明らかにした。本研究において、白血病細胞にアポトーシスを誘導する新しい手法を開発すると共に、LynとFgrとがその標的となることを明らかにした。 3.マクロファージへの分化誘導に伴ってチロシン燐酸化を受け、GAP(GTPase activating protein)に会合する蛋白質分子としてチロシンキナーゼCAKβ/Pyk2と分子量56kDaの新規蛋白質分子とを同定した。 4.チロシンキナーゼLynが好中球のアポトーシスを阻止することを見いだしたが、アポトーシス誘導シグナルに伴ってLynに機能蛋白質分子Cbl(p120^<c-cbl>)が会合してくることが判明した。 5.マクロファージへの分化に伴って発現が誘導されるCskファミリーチロシンキナーゼChk/Hylが、サイトカイン産生と細胞接着においてCskとは異なる機能を有することを、マクロファージ系細胞THP-1のそれぞれのトランスフェクタントを作成し解析することによって明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Katagiri,K.et al.: "Lyn and Fgr PTKs prevent apoptosis during retinoic acid-induced granalocytic differentiation of HL-60 cells." Journal of Biological Chemistry. 271. 11557-11562 (1996)
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[Publications] Katagiri,K.et al.: "Differential regulation of LFA-1/ICAM-1-dependent adhesion and aggregation of HL-60 cells." Blood. 87. 4276-4285 (1996)
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[Publications] Takahashi,T.et al.: "Suppression of autoimmune disease and massive lymphadenopathy in Fyn-deficient MRL/Mp-lpr/lpr mice." Journal of Immunology. (in press). (1997)
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[Publications] Kurokawa,A.et al.: "The role of tyrosine kinase Fyn for onset,progress and prognosis of autoimmune disease in MRL/lpr mice." Kitasato Med.25. 73-83 (1995)
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[Publications] Katagiri,T.et al.: "Bone Marrow Transplantation" Springer-Verlag Tokyo, (1996)