1996 Fiscal Year Annual Research Report
造血系細胞増殖制御におけるmyb遺伝子ファミリーの役割
Project/Area Number |
07670388
|
Research Institution | The Institte of Physical & Chemical Research (RIKEN) |
Principal Investigator |
野村 照明 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 先任研究員 (80231512)
|
Keywords | Myb / 転写制御 / コアクティベータ- / シグナル伝達 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
c-myb遺伝子欠損マウスは胎児の時期に致死となり、生後マウスの各組織におけるc-mybの役割が解析できない。そこで、二段階相同組み換えを用いて、MybのDNA結合ドメインやインヒビター結合ドメイン内に点変異を導入した変異マウスの作製を試みた。これらのマウスではMyb活性が野生型の1/10または10倍になり、発生途上で致死とならず、心筋細胞等の増殖制御におけるMybの役割を検討できることが期待される。これまでにヘテロマウスを得ることができ、現在ホモ変異マウスを作製する目処をつけることができた。またB-myb遺伝子欠損マウスをES細胞における相同組み換えを用いて作製し、解析した。その結果、B-myb欠損マウスは胎児の初期発生の時期に死亡し、B-mybが初期発生に必須であることが明らかとなった。またMybの転写活性化に必要なコアクティベータ-を解析した結果、CBPがMybのコアクティベータ-として機能することが示された。CBPはCREB以外にもJun,Fos,MyoD,Stat2,核内受容体などのコアクティベータ-として機能することが最近明らかにされた。一連の解析の結果、CBPを取り合うことによりMyb活性がこれらの転写因子により阻害されることが示された。また私達は最近Mybに結合する制御因子をcDNAクローニングにより同定したが、この因子がCBPにも結合することを見い出した。したがって、この因子はMybとCBPの結合を制御することが推定された。
|
Research Products
(1 results)