1996 Fiscal Year Annual Research Report
血液線溶系活性因子の循環器疾患の発症とその再発に及ぼす影響について -特に組織プラスミノーゲンアクチベータおよびインヒビター1-
Project/Area Number |
07670394
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
小池 和子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (60110508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯 博康 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (50223053)
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Keywords | t-PA抗原量 / PAI-1抗原量 / 線溶系因子 / 対照群 / 症例群 / 循環器疾患のリスクファクター |
Research Abstract |
当初に計画した平成8年度の研究計画については、ある程度の遅れはあるものの、相応に進行している。さらに試料の追加を行っているので現在までの結果を記載することとする。 症例については、発症調査などに臨床からの協力を得て、脳卒中および心筋梗塞発症者の調査を行い、既知の循環器疾患のリスクファクターとされる因子について測定、調査をおこなった。 発症例は100例以上を得ることが出来たのでそのうち 50-60才代の男性を抽出し、地域、年齢をマッチさせ、症例対対照を1:3に抽出し、t-PA抗原量および酵素活性を、またPAI-1抗原量の測定を行った。測定法はサンドイッチELISA法により、96穴プレートにて2重検定法にて測定した。その結果、対照群の集団内で t-PAとPAI-1の相関、中性脂肪、肥満度、喫煙、アルコール摂取量との相関が見出され、また、症例群内においても同様の傾向が見られた。さらに症例群と対照群を比較すると、t-PA抗原量、PAI-1抗原量ともに有意差を認めることが出来た。また、PAI-1抗原量の多量が脳卒中の再発に関与している可能性については、再発あるいは死亡例について線溶系因子の測定を行い、検証を試みた。その結果、少数例ではあったが、最初の発症時より時間が経過するにつれ、t-PA抗原量、PAI-1抗原量ともに上昇傾向にあることが観察された。わが国において、このよう疫学的結果はほとんど報告されていないが、さらに例数を増やし検討を継続する予定である。
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