1995 Fiscal Year Annual Research Report
家庭血圧、24時間自由行動下血圧と高血圧性臓器障害、生命予後に関する疫学的研究
Project/Area Number |
07670420
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
辻 一郎 東北大学, 医学部, 講師 (20171994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 潤 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (40133946)
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Keywords | 血圧 / 家庭血圧測定 / 24時間自由行動下血圧測定 / MRI / 無症候性脳梗塞 / 死亡率 / コホート研究 / 疫学 |
Research Abstract |
岩手県大迫町の一部地域の住民(約4500人)に対し、家庭血圧測定(HBP)、24時間自由行動下血圧測定(ABP)、随時血圧測定(CBP)を1987年より実施している。本年度は、頭部MRI所見、生存状況などに関するデータを分析し、以下の結果を得た。 1.無症候性脳梗塞とABP値との関連について:降圧剤の服用歴、脳血管障害の既往歴のない住民約150人について頭部MRI検査を実施した。その結果、65〜74歳の女性で、夜間降圧が著しい者では無症候性脳梗塞の頻度が有意に高かった。その重症度の指標の一つであるPeriventricular hyperintensity (PVH)の程度と夜間降圧の強さとの間には有意な正の相関があった。しかし、男性および55〜64歳の女性では有意な関連が見られなかった。これより、脳血管障害の予防における24時間血圧管理の重要性が示唆された。 2.各種血圧測定値と生命予後との関連について:死亡リスクに関する血圧値の予後予測能について、上記3つの測定法で比較した。その結果、HBP値が死亡リスクと最も強く関連し、予後予測能はABP、CBPの順で次いだ。これは、HBPが最も再現性に優れており、リスクのある者を正しく同定できることによるものと思われた。CBPでは、日内変動や白衣効果等のためにリスク同定能力が高くないことが示唆された。 3.HBP測定値の季節変動について:血圧値の季節変動とその関連要因を検討するため、16名の女性を対象に、HBPを1年間毎日測定するよう依頼し、その月別平均値を検討した。その結果、HBPは1月と12月に最も高く、7月で最低であった。両者間の血圧差は収縮期圧で5.2mmHg、拡張期圧で4.0mmHgであった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 今井潤: "家庭血圧に基づく降圧療法の評価" Japanese Circulation Journal. 58. 1324-1327 (1995)
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[Publications] 大久保孝義: "自由行動下血圧と総死亡・心血管死亡との関連性-地域コホートの観察から-" Therapeutic Research. 17. 76-80 (1996)
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[Publications] Imai, Y.: "Seasonal variation in blood pressure in normotensive women studied by home measurements." Clinical Science. 90. 55-60 (1996)