1996 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の口腔乾燥症に関する疫学調査研究-病因、経過、治療予後について-
Project/Area Number |
07670421
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阪本 真弥 東北大学, 歯学部, 助手 (90157686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗和田 しづ子 東北大学, 歯学部, 助手 (60225274)
駒井 伸也 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (90234864)
古内 寿 東北大学, 歯学部, 助手 (50209160)
丸茂 町子 東北大学, 歯学部附属病院, 講師 (10005027)
三條 大助 東北大学, 歯学部, 教授 (70013943)
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Keywords | Xerostomia / dry mouth / 口腔乾燥症 / 老年歯科 / 疫学調査 |
Research Abstract |
平成8年度は、平成7年度3回にわたり行った、老人ホームに入居している高齢者を対象とした口腔乾燥症の疫学調査を集計し、その症状、病因、経過、治療、予後について詳細に検討した。その結果は以下のとおりである。1.唾液分泌量の低下は、約半数の高齢者にみられ、性差はみられなかった。2.一般既往歴では何らかの全身疾患を有する人は調査対象のほとんどを占めたが、唾液分泌低下の有無による全身疾患の有病率に有意差はみられなかった。3.調査対象のほとんどの人が何らかの薬を服用し、これらの薬の中で、副作用として口腔乾燥を起こす薬(利尿剤、降圧剤、抗ヒスタミン剤、抗鬱剤、抗コリン剤、メジャートランキライザー、抗パーキンソン剤など)を飲んでいる人は65%であった。しかし、このような薬の服用の有無による唾液分泌量に有意差はみられなかった。副作用として口腔乾燥を起こす薬を飲んでいる人につき、薬の服用数と唾液分泌量や口腔乾燥症状との関係を検討したところ、3剤の人に唾液分泌低下が有意にみられ、口腔乾燥感を有する率が高かった。4.唾液分泌量低下の有無による平均残存歯数に有意差はみられなかった。5.日常生活に支障のある重篤な口腔乾燥症状を有する人は少なく、「食事中水分を多くとる」など、無意識のうちに口腔乾燥に対する対症療法を自ら行っていることが推測された。すなわち、高齢者の口腔乾燥症は、加齢に加え、全身疾患の複数の薬の影響が推測されるものの、治療の対象となる重篤な人はほとんどみられなかった。
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Research Products
(2 results)