高齢者の活動能力と睡眠の質を向上させるための生活リズム同調強化手法

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07670428
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
• Research Institution: Fukushima Medical University
• Principal Investigator: 本橋 豊 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (10174351)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高野 健人 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80126234)
• Keywords: 高齢者 / 活動能力 / 睡眠の質 / 生活リズム同調 / 脳卒中後遺症 / 在宅ケア / 生活体力

Research Abstract

宮城県N市在住の住宅脳卒中後遺症者150名に対して、郵送法による質問紙調査により脳卒中の病型・麻痺の程度・日常生活動作能力・手段的 ADL・在宅保健福祉サービスのニーズ等を調べた。これらの対象者のうち、N市保健センターの健康診断を受診可能であった37名に対して、体温、血圧、心拍数などの理学所見及び神経内科的所見(SIAS)をとった。同時に、身体測定、体力測定(握力、脚筋力、重心動揺、長座位体前屈、スパイロメーター)、生活体力測定(起立動作時間、10m歩行時間)を行った。在宅脳卒中後遺症者のケアニーズに関連する要因として、歩行障害、抑うつ感、孤独感が認められ、ケア中心の在宅保健福祉サービスのニーズとして、身体面でのケアのみならず心理面でのケアを行うサービスの重要性が示唆された。体力測定・生活体力の測定を行った37名については、睡眠の質、生活行動パターンから判断した生活リズム同調とADLとの関連について調べた。起床時刻と10m歩行時間、起立動作時間には相関が認められ、起床時刻が早いほど10m歩行時間、起立動作時間は短く、生活体力から見た身体活動能力が高かった。筋力と起床時刻の間にも有意な強い相関が認められた。同様の関連性は就寝時刻と生活体力の間にも、弱いが認められた。以上より、平成7年度の研究実績をまとめると、高齢者の生活リズム同調の指標のひとつと考えられる生活行動時間と身体活動度には意味のある関連性が認められ、高齢者の生活リズム同調を積極的に行うことにより、高齢者の活動能力を高める可能性が明らかにされた。

Research Products

• [Publications] 本橋豊、他: "高齢者の生体リズム同調と居室内照度条件" 日本公衆衛生雑誌. 42. 1042 (1995)
• [Publications] 大友昭彦、本橋豊 他: "在宅高齢者の福祉サービスのニーズに関する調査-宮城県N市の調査結果より-" 日本公衆衛生雑誌. 42. 1070 (1995)
• [Publications] 本橋豊、他: "在宅脳卒中後遺症者の生活リズムと体力" 日本衛生学雑誌. 51(印刷中). (1996)
• [Publications] 前田明、本橋豊 他: "在宅脳卒中後遺症者の大腿部筋厚と体力の関係" 日本衛生学雑誌. 51(印刷中). (1996)
• [Publications] Y.Motohashi et al.: "Social behavioral rhythm,living environment,and activity level of the elderly" The XIV International Scientific Meeting of the International Epidemiological Association. Abstract Book(印刷中). (1996)
• [Publications] Y.Motohashi et al.: "Genetic background of circadian desynchronism:comparison between Asiatic Japanese and Caucasian-French populations" Chronobiology International. 12. 324-332 (1995)
• [Publications] 本橋豊(分担): "人間科学計測ハンドブック(自立神経機能血圧)" 技報堂出版(印刷中), (1996)
• [Publications] 本橋豊(分担): "日本人の事典(分担章タイトル 日本人と生活時間)" 朝倉書店(刊行予定), (1997)