1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670447
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
崎原 盛造 琉球大学, 医学部, 教授 (60045060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 博 東京都老人総合研究所, 副所長 (30154248)
當銘 喜世美 琉球大学, 医学部, 助手 (70253953)
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Keywords | 介入研究 / 社会活動能力 / 生活満足度 / 社会参加 / 会食 / レクレーション / 地域老人 / 社会関係 |
Research Abstract |
本研究は、普段社会参加の機会に恵まれない在宅の高齢者を対象に、介入実験を実施し、健康の保持と生活満足度の向上を図ることが期待できるか否かを明らかにすることを目的とした追跡研究である。対象地域は沖縄県浦添市の6地区であり、毎月各地区の公民館において会食とレクレーションを平成8年3月まで実施。参加者数は毎月1地区平均46人である。この介入プログラムはいろいろな資金を活用して1992年4月から継続している。平成7年度は、1005年1月現在対象地区に居住する65歳以上の全高齢者1,143名中、1991年の予備調査から4年間追跡できたのは428名であり、予備調査および本調査とも完全回答した279名を分析の対象とした。同地区に居住する非参加者を対照群として比較した結果、以下の知見が得られた。 1)実験群は、4年間で別居子、友人、隣人との交流頻度が上昇し、ソーシャル・サポートの一種である他者への支援が有意に増加しており、本介入プログラムは高齢者の社会関係の強化に有効であることが明らかになった。 2)対照群では社会活動能力が有意に低下したが、実験群ではその有意な低下は認められなかった。すなわち、本介入プログラムは高齢者の高次の活動能力の維持に有効であることが確認された。 3)生活満足度に有意な変化は認められなかったが、対照群では低下傾向を示し、実験群では男性の場合、生活満足度およびその下位尺度である心理的安定と老いの評価において上昇傾向が認められた。パス解析の結果、本介入プログラムが他者との交流頻度、社会的役割および健康度自己評価を介して、間接的に生活満足度の向上に寄与する可能性が示唆された。 平成8年度は5年目の追跡が可能となるので、訪問面接調査の実施を計画している。
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