1995 Fiscal Year Annual Research Report
京都府北部一般地域住民におけるアポE並びにビタミンD受容体の分子疫学的研究
Project/Area Number |
07670449
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30264782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 保 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (00237942)
中島 健二 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (00237265)
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Keywords | 老年期痴呆 / アポリポ蛋白E(ApoE) / 分子疫学 |
Research Abstract |
平成7年度にはK町において追加の実態調査を行った。平成6年度の調査と併せて、アンケートによる一次調査2280人より分類した痴呆の可能性の高い群163名より24名、痴呆の可能性の低い群272名より82名、痴呆の可能性のない群1845名より92名で二次検診(一般内科学的診察、神経学的診察、神経心理検査、一般血液検査)が実施できた。この結果痴呆の可能性の高い群から3名(12.5%)、痴呆の可能性のある群から9名(11.0%)、痴呆の可能性の少ない群から3名(3.2%)の痴呆患者を認めた。従って推定される痴呆患者数はK町では65歳以上の高齢者では110名(4.8%)となった。この発症率はこれまで本邦で報告されてきた発症率とほぼ一致している。 平成6年度分のapoEに関する検討は等電点泳動法による表現型の解析でおこなった。ApoE2/2 2/3 3/3 2/4 3/4 4/4の頻度は痴呆を認めない群134名では1.5%、5.2%、70.1%、0.7%、21.6%.0.7%、アルツハイマー型老年期痴呆(SDAT)群11名では0%、0%、63.6%、9.1%、27.3%、0%であった。apoE4対立遺伝子の出現頻度は痴呆を認めない群で11.9%、SDAT群で18.2%であった。SDAT群でapoE対立遺伝子を有する率が正常群に比べて高かったが、SDAT群の例数が少ないため統計学的に有意な差とはならなかった。正常群でのapoE4対立遺伝子の比率は本邦ではこれまで6-9%と報告されており、地域によってapoE4対立遺伝子の頻度が異なることが示唆された。
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