1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670458
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY,SCHOOL OF MEDICINE, |
Principal Investigator |
横山 英世 日本大学, 医学部, 助教授 (90120584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 博志 日本女子大学, 家政学部, 教授 (00277675)
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Keywords | 重症心身障害児 / 生存分析 / 出生時体重 |
Research Abstract |
「目的」重症心身障害児(者)(以下、重症児と略す)の疫学と予後を研究するために、重症児の死亡状況の分析にと生存分析を行ってきた。今年度は予後に影響を及ぼす要因として出生時体重を取り上げ、出生時体重が重症児の発生に如何に関連するかについて検討を行った、更に母子保健の視点から重症児の予防についての考察を行った。 「対象・方法」東京都における在宅の重症児のデータに基づいて分析を行った。東京都は1979年2月から在宅の重症児を対象として訪問健診事業を行っている。本研究の対象者は当初から1993年1月までの間に把握された死亡者167例、最終年度生存者523例の計690例であるが、最終的には出生時体重の記載が不備なものを除外した総数283例を分析対象とした。出生時体重で3群に層別化した(1群:2,000g未満、2群:2,000-3,999g、3群:4000g以上)。1979年以降の出生者についてそれぞれの群別に生存分析を行った。生存分析はSPSS(PC Window版)を用いてKaplan Meier法を用いて行った。 「結果」(1)出生時体重の分布:全体の平均は2,861g(460g〜4,600gの範囲)と低く、出生体重が2,500g未満の児は24.4%であった。一方、4,000g以上の児は3.2%であった。 (2)群別の平均生存時間の比較:(1)1群:平均145ケ月、(2)2群:平均140ケ月、(3)3群:平均137ケ月であった。Log Rank Testの結果はSig(0.3632)で、群間に有意の差は見られなかったが、3群の中でも高出生体重児群において生存時間の平均値が低い傾向が見られた。しかし、少数例のため今後更に検討を加える予定である。 「考察」重症児の発生は周産期医療の発達によって減少していると言われているが、一方では一旦、減少傾向であった低出生体重児は近年増加傾向にあり、今後低出生体重後に発生する児の心身障害の予防が重要であると思われる。
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