1995 Fiscal Year Annual Research Report
成年時の健康状態に関連する乳幼児期検診成績に関する研究
Project/Area Number |
07670459
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
河野 俊一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70131018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西条 旨子 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40198461)
森河 裕子 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20210156)
田畑 正司 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40188404)
三浦 克之 金沢医科大学, 医学部, 助手 (90257452)
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
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Keywords | 出生時体重 / 乳幼児 / 体格 / 肥満 / 血圧 / 血清総コレステロール / 追跡研究 / 疫学 |
Research Abstract |
出生時および乳幼児期の体格や肥満度が、成人時の体格、血圧、血清総コレステロールとどのような関連を示すのかを明らかにするために、レコード・リンケージの手法を用いた20年にわたる追跡研究を行った。石川県のある保健所管内において昭和40年から昭和49年までの10年間に出生した児を対象とした。3ヶ月児、1歳児、3歳児の各検診のいずれかを受診したのべ16,282人の児において出生児体重および3ヶ月時、1歳時、3歳時の身長、体重、肥満度を把握した。さらに石川県において実施されてきた成人時(20歳)の検診である成年健康調査を受診した当該保健所管内の昭和40〜49年生まれのものにおける身長、体重、肥満度、血圧、血清総コレステロール値を8,741人において得た。乳幼児期のデータと成人時のデータを生年月日と姓名を用いて記録照合(レコード・リンゲージ)したところ、5130人(男2433人、女2697人)においてデータの結合が可能であった。出生時体重において25パーセンタイルずつの4分位間で成人時の体格および検査値を比較したところ、男女とも出生時体重が大きいほど成人時の身長、体重、肥満度(BMI)が高値であり、統計学的有意差を認めた。しかし、血圧、血清総コレステロール値においては一定の傾向を認めなかった。3歳時の肥満度(カウプ指数)の4分位間で、成人時のデータを比較したところ、男女とも3歳児の肥満度が高いほど成人時の体重、肥満度が高かったが、血圧、血清総コレステロール値に差はなかった。3歳時の体重の4分位間で比較したところ、男女とも体重が大きいほど成人時の身長、体重、肥満度、さらに収縮期血圧、拡張期血圧が高値であった。これに加え、女では血清総コレステロール値も3歳時体重が高いほど高値であった。以上の結果より、出生時および乳幼児期の体格が成人時の健康状態に影響を与えていることが示唆された。
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