1996 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の地域ケアに関する疫学的研究-老人保健・福祉施設利用者の地域交流、家族交流に関する状況-
Project/Area Number |
07670463
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
渡辺 美鈴 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30084924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土手 友太郎 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10257868)
織田 行雄 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80247840)
河野 公一 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30111016)
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Keywords | 老人保健施設 / 家庭交流 / 家庭復帰 |
Research Abstract |
大都市近郊における老人保健施設(老健施設)に入所している老人の心身状況、入退所状況、家族との面会や自宅への外泊状況について調査した。その後面会回数に影響をおよぼす要因について検討した。 1.入所者は、寝たきりの者が52.9%、痴呆症状を有する者が72.7%、入所前の世帯構成は独居が39.7%を占めていた。 2.退所者の退所先は病院が61.4%、家庭が24.6%で家庭への退所が低く、入所期間の長期化が認められた。 3.在所者の3分の1は正月時に帰宅した。帰宅者と帰宅しなかった者との間において、老人の心身状況や家庭内介護力に有意の差は認められなかった。 4.面会回数は保護者の居住地が老健施設と同じ市であることや保護者が配偶者である場合には多い傾向を示すが、子供数や退所先とは関係なかった。 以上の結果から、入所時の面会回数や外泊、退所先、子供数などの要因は家庭への退所に関連してなかった。入所者は、比較的子供数が多いにもかかわらず、独居世帯で、病状は固定しているが、心身状態が低く、長期入所になっている者が多かった。このことから、本調査は要介護老人に安心した生活を過ごさせれる場所、ケアハウスやケア付き住宅などの施設が必要であるとともに、在宅生活を基本にして、老健施設、ショートステイやデイサービスE型などの施設サービスと組み合わた複合的なケア体系の必要性を示唆している。
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