1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670465
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
圓藤 陽子 関西医科大学, 医学部, 講師 (50193438)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 泰恭 慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (60167319)
河野 比良夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (30148522)
|
Keywords | DNA損傷 / DNA付加物 / チトクローム P450 / 酵母 |
Research Abstract |
化学発癌では、細胞がイニシエーションを受けてからいくつかの段階を経て癌化すると考えられており、DNA付加物生成などによるDNA損傷が修復の段階で点突然変異や染色切断をおこし、そのイニシエーションとなると考えられている。平成7年度においては、申請者らは(1)発癌の第一段階になっていると推定されているDNA付加物がどのようなヒトチトクロームP-450遺伝子により作成されるが、および(2)培養神経細胞におけるDNA損傷の機序、について検討した。2種の異なる性質のチトクロームP-450遺伝子(CYP1A1またはCYP2B5)を組み込んだ酵母に代謝経路の異なる2種の物質、芳香属アミノ化合物(メチレンビス-o-クロルアニリン(MBOCA))およびベンツ(a)ピレン(B(a)P)を曝露させ、生成されるDNA付加物をポストラベル法にて検出した。MBOCA曝露では、CYP2B5におけるDNA付加物生成はCYP1A1よりも顕著であった。B(a)Pを曝露した場合は、CYP1A1またはCYP2B4のいづれにおいても付加物は検出されず、チトクロームP-450だけではDNA損傷性を有する物質まで代謝されないことが確認された。MBOCAにおいては、チトクロームP-450の種類によって生成されたDNA付加物が異なることから、酵母にチトクロームP-450を導入することにより代謝活性の相違によるDNA付加物生成の相違を簡単に検出できる系を確立できたといえる。これらの結果については、Experimentia(51:564-568、1995)に発表した。 現在次の段階として、化学物質暴露によるDNA損傷応答遺伝子であるリボヌクレオチドレダクターゼ遺伝子(RNR3)の誘導及びその誘導発現機構に関する実験を実施中である。また、培養神経細胞におけるDNAの断片化についても、現在実験中である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Y Endo-Ichikawa: "Formation of 4,4`-methylene-bis(2-chloroaniline)-DNA adducts in yeast expressing recombinant cytochrome P450" Experientia. 51. 564-568 (1995)
-
[Publications] Y Endo-Ichikawa: "Induction of the gene RNR3 in Saccharomyces cerevisiae upon exposure to different agents related to carcinogenesis." Biochemical Pharmacology. 50. 1695-1699 (1995)
-
[Publications] 圓藤陽子: "P-450発現酵母における化学発癌物質暴露によるDNA損傷応答遺伝子の発現誘導" 日本衛生学雑誌. 50. 548-548 (1995)
-
[Publications] T Furukawa: "Nitric oxide-mediated inactivation of the mammalian ferrochelatase in vivo and in vitro: Possible involvement of the iron sulphr cluster" Biochemical Journal. 310. 533-538 (1995)
-
[Publications] S Taketani: "The human protooporphyrinogen oxidase gene: Organization and location to chromosomel." Genomics. 29. 698-703 (1995)