1996 Fiscal Year Annual Research Report
陳旧骨(髄)組織からのDNAプロファイリングによる個人識別に関する研究
Project/Area Number |
07670495
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Research Institution | Nagasaki University School of Medicine |
Principal Investigator |
久保 真一 長崎大学, 医学部, 助教授 (10205122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 亮一 長崎大学, 医学部, 講師 (20098875)
中園 一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (30108287)
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Keywords | DNAプロファイリング / PCR法 / 個人識別 / 陳旧骨髄 / 性別判定 |
Research Abstract |
陳旧化した骨髄組織からの個人識別をする目的で,PCR法を用いた性別判定ならびにSTR型の分析を行い,変性したDNAを試料とした場合の最適なDNA多型検査法を検討した. 剖検時採取した胸骨柄38検体を2週間から36カ月間外気中に放置後、骨髄からDNAを精製した. 1.性別判定では,アメロゲニン遺伝子からの2種類のbpの異なるプライマーを用い比較検討した.長いbpのAMGLでは,1回目のPCRでは18例が性別判定が可能であった.判定不能例については低分子物質の除去後,BSA添加によるPCRを行い,さらにDualPCRを試みたが10例がなお判定不可能であった.次に短いbpのAMGLでは,1回目のPCRにおいて25例が判定でき,さらに低分子物質の除去ならびにBSAを添加しPCRを行ったところ全例において性別判定が可能であった.これらのことから,陳旧化したDNAから性別判定を行うには,低分子物質の除去後,BSA添加等のDNA側の前処理を行うと共に短いbpのプライマーを設計する必要がある. 2.STR型の検索にはvWFならびにTH01を用い,先の陳旧化した骨髄DNAと剖検時同一個体から採取した血液DNAとが一致した結果となるかを検討した.前処理を行わない段階でのPCRでは,増幅産物から得られなかったものが性別判定と同様13例あったが,処理済みのDNAからは全例その増幅したバンドが得られ,陳旧化骨髄DNAと血液DNAとは全く矛盾しない結果が得られた.vWF,TH01共に短いbpのプライマーであることから陳旧化したDNAから個人識別を行う場合には,DNA側ならびにプライマー側双方とも検出感度をあげる必要がある.
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