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1996 Fiscal Year Annual Research Report

抗カルジオリピン抗体の病因性の研究:トロンボモジュリンに対する反応について

Research Project

Project/Area Number 07670541
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

小林 茂人  順天堂大学, 医学部, 講師 (40186739)

Keywords抗カルジオリピン抗体 / トロンボモジュリン / 抗リン脂質抗体症候群 / 強皮症 / プロテインC / 血栓症
Research Abstract

抗カルジオリピン抗体(ACA)がトロンボモジュリン(TM)に反応すれば、TMの機能が抑制され血栓症が生じるとの推測に基き、以下の実験を行い結果を出した。1)NZB/W F1より得られたマウス・モノクローナル抗カルジオリピン抗体(MoACA)の結果:18クローンのうち、5クローンがTMに反応した。またTMによって吸収された。MoACAはDNA、Histone、IgG-Fcなどとpolyreactivityを示した。MoACAのTMに対する反応はトロンビンによって抑制された。TMのトロンビンの結合部位であるepidermal growth factor(EGF)-domain 5(EGF5)の19のアミノ酸よりなる合成ペプチドにMoACAが反応した。カルジオリピン(CL)、TMに対するaffinity(Kd)は、CLは10^<-4>〜10^<-5>mol/Lであったが、TMに対しては10^<-8>〜10^<-9>mol/Lであった。2)ヒト抗リン脂質抗体症候群患者の結果:患者IgGを精製し、同様にTMの反応をみたが、検索した範囲内のIgGにはTMに対する反応は認めなかった。3)強皮症患者の結果:強皮症で40症例中9症例(22.5%)が抗TM抗体が陽性であった。この抗体は抗カルジオリピン抗体活性は示さないが、NZB/W F1マウス・モノクローナル抗体と同様にTMのEGF5部分に反応し、しかもprotein C活性を抑制した。また、ほとんどの抗TM抗体陽性症例では小動脈の血栓形成による指尖潰瘍を認めた。4)MRL/Iprマウスの結果:ヒトのモノクローナル抗TM抗体はマウスTMに反応しないことがわかり、マウスTMを精製し、MRL/Iprマウスの抗TM抗体を検索したところ、5カ月齢にて抗TM抗体が検出された。現在、抗ラットTM抗体をラットに投与することによって血栓形成を検索している。
現時点の結論は、ヒトの抗リン脂質抗体症候群では抗TM抗体は検出されなかったが、強皮症患者に検出され血栓形成との関連性が示唆されたため、抗リン脂質抗体が検出されない血栓症の症例において、抗TM抗体が重要であると考えられた。

  • Research Products

    (5 results)

All Other

All Publications (5 results)

  • [Publications] 小林茂人・春田和彦・高野祐見子: "リウマチ'96" メディカルレビュー、強皮症における抗トロンボモジュリン抗体の検索, 144-150 (1996)

  • [Publications] 田中光彦・小林茂人 他: "厚生省特定疾患難治性血管炎調査研究班 1991年度報告 血管炎症候群およびSLE患者血清中のトロンボモジュリンの検索" 厚生省保健医療局疾病対策課, 46-48 (1992)

  • [Publications] 小林茂人他: "厚生省特定疾患難治性血管炎調査研究班 1992年度報告書 モノクローナル抗カルジオリピン抗体のpolyspecificityとpathogenecityについての考察" 厚生省保健医療局疾病対策課, 197-198 (1993)

  • [Publications] 小林茂人他: "厚生省特定疾患 難治性血管炎調査研究班 1993年度研究報告書:抗カルジオリピン抗体のRF活性の検討" 厚生省保健医療局疾病対策課, 111-115 (1994)

  • [Publications] 小林茂人、春田和彦他: "厚生省特定疾患 難治性血管炎調査研究班 1994年度研究報告書・モノクローナル抗カルジオリピン抗体のトロンボモジュリンに対する反応性の検索" 厚生省保健医療局疾病対策課, 74-77 (1995)

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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