1996 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患の病因としてのヒト内在性レトロウイルスの役割
Project/Area Number |
07670542
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Research Institution | Juntendo University, School of Medicine |
Principal Investigator |
菱川 隆史 順天堂大学, 医学部, 助手 (60189785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 博史 順天堂大学, 医学部, 教授 (60053120)
高崎 芳成 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80154772)
関川 巌 順天堂大学, 医学部, 講師 (80179332)
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Keywords | ヒト内在性レトロウイルス / 自己免疫疾患 / レトロウイルス / p30gag / LTR / env |
Research Abstract |
我々は、ヒト自己免疫疾患におけるヒト内在性レトロウイルス・コア蛋白p30gagの発現を患者血清抗体活性を検索することにより示し、これらウイルスが疾患の発症に関与していることを示唆してきた。 clone4-1由来の組換え外被糖蛋白envに対する血清抗体活性はウェスタンブロッティング法によりSLE・Sjogren症候群の10%、MCTDの20%に認められた。envは種により大きく異なるにもかかわらず陽性例が認められることから、clone4-1がこれら疾患に発現している例があることが示唆された。更に、興味深いことにenv抗体陽性血清はp30gag抗体をも保有し、吸収試験により各々の交差反応は否定されていることから、完全なウイルスとしてclone4-1が発現している可能性も示唆された。 特にSLEで高率にウイルス蛋白の発現が示唆されたことから、SLE末梢血リンパ球におけるmRNAの表出をRT-PCR法で検討した。envよりp15E部分の発現は、健常人には認めなかったのに対し、SLE患者には認められた。また、当初の実験における合成プライマーではgag部分のmRNAは検出できず、プライマー設定部位の検討が必要と考えられた。 clone4-1のmRNA・蛋白レベルでの発現が認められたため、このヒト内在性レトロウイルスのLTRの機能を発現ベクターを用い検討した。これまでの研究でLTRに約50bpのプロモーターを同定し、通常の細胞に転写因子と考えられるDNA結合蛋白を認めた。しかし、健常人にはclone4-1は発現していない事から、プロモーターの活性に何らかの刺激が必要と考えられたため、IL6・IL1β・TNF-αなどのサイトカインや、各種性ホルモン・hCGの存在下でのLTR機能を検討したが活性化は認められず今後の検討を要すると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小笠原均他: "自己免疫疾患患者血清におけるヒト内在性レトロウイルスclone4-1gag,env領域組換え蛋白に対する抗体活性の検索" 日本免疫学会総会学術記録. 26. 427 (1996)
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[Publications] Naoaki Tamura et al.: "Syncytial cell formation in vivo by type C retroviral particles in systemic lupus erythematosus (SLE) lung" Clin Exp Immunol.107. 674-679 (1997)
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[Publications] 小笠原均他: "膠原病におけるヒト内在性レトロウイルス・クローン4-1の発現" リウマチ. 36・2. 309 (1996)
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[Publications] 菱川隆史他: "ヒト内在性レトロウイルスの遺伝子産物PBOgagに対する抗体活性の検討とその発現調節の解析" 日本内科学会雑誌. (1996)
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[Publications] 金子礼志他: "膠原病患者血清におけるヒト内在性レトロウイルスclone4-1gag領域組換え蛋白に対する抗体活性の検索" 日本臨床免疫学会会誌. 19・4. 392 (1996)
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[Publications] 小笠原均他: "膠原病患者におけるヒト内在性レトロウイルスclone4-1env蛋白抗体の発現について" 日本臨床免疫学会会誌. 19・4. 392 (1996)