1996 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓機能(生理および病態)に対する中枢性神経ペプチドの作用に関する研究
Project/Area Number |
07670554
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
米田 政志 旭川医科大学, 医学部, 助手 (30261407)
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Keywords | 神経ペプチド / 肝生理機能 / 肝再生 / 肝血流 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
1.中枢性神経ペプチドの実験肝障害に対する効果の研究 中枢性TRHの四塩化炭素誘発急性肝障害に対する効果と作用機序について検討した。ウィスター系雄性ラットをエーテル麻酔下で定位脳手術装置に固定し、TRHアナログのRX77368及びコントロールとして生理食塩水を脳槽内に投与し、60分後に四塩化炭素2.0ml/kgを皮下注、24時間後に屠殺、肝病理組織の検討とともに肝逸脱酵素活性を測定した。その結果、TRHアナログの脳槽内投与により、四塩化炭素による24時間後のALTの上昇が用量依存性に抑制された。この中枢性RTHの四塩化炭素誘発肝障害に対する防御作用は、アトロピン・インドメサシン・迷走神経切断術前処置によって消失したが、L-NAME・6-OHDAの前処置では影響をうけなかった。 つぎに、中枢性CRFの実験肝障害に与える影響について検討した。ウィスター系雄性ラットをエーテル麻酔下で四塩化炭素2.0mm/kgを皮下注射し、四塩化炭素投与直後及び6時間後にラットを定位脳手術装置に固定の上、CRF及びコントロールとして生理食塩水を脳槽内に投与した。24時間後にラットを屠殺し、肝障害の程度を血中逸脱酵素活性にて検討した。その結果、CRFの脳槽内投与により四塩化炭素投与24時間後のALT値は用量依存性に上昇した。 2.中枢性ペプチドの肝内メディエーターに対する効果の研究 中枢性ペプチドが肝臓内のmediator(サイクリックAMP)に及ぼす効果を検討した。ウィスター系雄性ラットをエーテル麻酔下で定位脳手術装置に固定の上、TRH安定型アナログのRX77368およびコントロールとして生理食塩水を脳槽内に投与し、1-72時間後に屠殺、肝組織を取り出し、homogenateして肝臓内サイクリックAMPをRIA法で測定した。その結果、TRHアナログ100ng脳槽内投与により、投与後12時間をピークとして肝臓内cAMP含有量の増加が観察された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masashi Yoneda: "Neuropeptide Y in the dorsal vagal complex stimulates bicarbonate-dependent bile secretion in rats" Gastroenterology. (印刷中).
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[Publications] Hiroshi Itoh: "Rapid gastric emptying and pathological changes of vagus nerve in the spontaneously diabetic Chinese hamster" Diabetic Research and clinical Practice. 28. 89-95 (1995)
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[Publications] Masashi Yoneda: "Liver Innervation" Takashi Shimizu,John Libbey & Company Ltd., 484