1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07670563
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関口 利和 群馬大学, 医学部, 助教授 (60008274)
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Keywords | electrogastrography / 胃潰瘍 / 胃粘膜切除術 / エリスロマイシン |
Research Abstract |
胃電図でえられる情報は,胃の電気的活動を波形でとらえられる周波数と電位が主であるので,評価するにあたり客観的な解析法が不可欠である。今度,日本光電の協力により,経時的に周波数と電位とを同次元で解析でき,いわゆるパタ-スペクトラムを描くことのできるソフトを完成することができた。さらにこのソフトには,時間と電位とを合成したベクトル胃電図,また単位時間内の電位をArea under curveで総和する機能を有している。 一方,胃潰瘍は胃電図に及ぼす影響については知られていないので,人工的に胃潰瘍を形成する内視鏡的胃粘膜切除術(Endoscopic Mucosal Resection,以下EMR)を利用して,EMR前後及び食事の影響,消化管運動賦活作用のあるエリスロマイシンの作用について検討した。 対象はEMR目的で入院した胃腺腫及び早期胃癌患者である。方法はEMR前後において,空腹時30分,その後食事負荷を行ない,食後30分胃電図を測定した。EMR後,エリスロマイシンを投与した群と,そうでない群とに分けて比較検討した。 解析は4分15秒ごとにfast fourier transformation解析を行ない,今回はピーク周波数を求めた。 成績 (1) EMR前後の比較では,食前も食後期も,ピーク周波数に有意な変動は認められなかったが,EMR後の食後期のそれは低下傾向にあった。 (2)エリスロマイシン投与後では,EMR後の食後期周波数は,80%の奨励に増加をみた。一方,エリスロマイシン非投与群では増加を認めなかった。 結果 EMR後の胃潰瘍発症時は,EGGの周波数の低下傾向が認められ,エリスロマイシン投与することにより元に復する可能性が推測された。EGG測定は食事や薬剤の負荷によって,電気的活動は増幅され,胃運動機能の評価は容易になると考えられる。
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