1995 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎にみられる補体のcold activationに関する研究
Project/Area Number |
07670580
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
赤羽 賢浩 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60092855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 清 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90242635)
宮崎 吉規 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80166157)
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Keywords | cold activation / C型肝炎ウイルス / 供血者 / C型慢性肝炎 / IFN治療 / HCVウイルス血症 |
Research Abstract |
ある種の肝疾患患者血清は低温保存すると補体が消費され、残存補体による溶血活性が著しく低下する事実は、1970年代に我が国の研究者により発見され、補体のcold activationと呼ばれていた。近年のC型肝炎ウイルス(HCV)の検出系の開発により、この現象がC型肝炎と極めて密接に関連することが解明されたが、この現象の臨床的意義はほとんど明かにされておらず、その発症機序も不明のままである。 そこで今回、HCV抗体陽性供血者、C型慢性肝疾患、インターフェロン(IFN)治療を行ったC型慢性肝炎につき、各種HCV関連マーカーとともに、補体のcold activationを検索し、その臨床的意義を検討した。 1)49,088名の一般供血者中、HCV抗体は315名(0.64%)に検出され、うち181名(57%)がHCV RNA陽性であった。補体のcold activationは181名中140名(77%)に認められ、HCVウイルス血症と密接な関連がみられた。 2)C型慢性肝疾患327例中292例(89%)に補体のcold avtivationを認めた。特に236例(72%)は溶血活性は完全に喪失し、著しく高度な活性化を示していた。対照としたB型慢性肝疾患94例中14例(15%)でもcold activationを認めたが、その活性は弱く、溶血活性の喪失を示したのは1例(1%)のみであった。 3)補体のcold activationを示すC型慢性肝炎56例にIFNを投与したところ、18例で同活性の消失がみられたが、うち15例はIFNのcomplete responderであった。 以上より、C型肝炎患者にみられる補体のcold activationはHCVウイルス血症と密接に関連し、IFN治療の長期予後の予測に有用と考えられた。
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