1996 Fiscal Year Annual Research Report
野生型p53遺伝子導入ヒト大腸癌細胞球における細胞死感受性調節維持の基礎的検討
Project/Area Number |
07670590
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
青山 伸郎 神戸大学, 医学部, 助手 (30243299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 玲 京都大学, 医学部, 助教授 (60144565)
前田 盛 神戸大学, 医学部, 教授 (50030911)
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Keywords | p53遺伝子 / アポトーシス / RER / 大腸癌 |
Research Abstract |
平成8年度は、野生型p53遺伝子導入株を用いたin virtoでの研究と並行して、大腸内視鏡検査時や外科的切除検体を用いた臨床解析を進めた。対象は進行大腸癌組60例で、検討項目は、(1)p53は、組織のホルマリン固定・パラフィン切片を抗p53抗体を用いた免疫組織化学で染色陽性をp53異常とした。(2)RER(replication error)は同じくパラフィン切片または新鮮凍結組織から抽出したDNAを、5ヶのマイクロサテライトマーカーを用い周辺非腫瘍組織との比較で少なくとも1ヶ以上のマーカーで非腫瘍組織に比較して差を認めた場合をRER陽性とした。(3)アポトーシスは、ホルマリン固定・パラフィン切片を抗Apo-1抗体を用いた免疫組織化学で染色態度をIndexで数値化して評価した。RER陽性は9例(15%)であった。RER陽性例では陰性例に比して、年齢が低く、直腸に病変が高頻度に認められたがp53異常に差は認められなかった。p53異常の有無で有意で有意アポトーシスの差は認められず、臨床解析においては、平成7年度で報告した様に野生型p53遺伝子を導入することによりアポトーシスが有意に亢進する、つまり今回の臨床解析ではp53異常を認める大腸癌組織ではアポトーシスが低下しているというin vitroでの結果の再現は得られなかった。
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[Publications] Tamura T,Aoyama N et al: "Induction of Fas-mediated apopttosis in p53-transfected human color cavcinoma cells" Oucogene. 11. 1939-1946 (1995)
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[Publications] Takahashi R,Maeda A et al: "Transfection of wild type Tp53 indices differentiation in human gingival cavcinoma cells" Euv J Cancer. 32A. 533-539 (1996)
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[Publications] 田村孝雄,青山伸郎他: "癌抑制遺伝子の生物学" GI research. 3. 284-291 (1995)