1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胃粘膜上皮細胞と壁細胞に発現の見られる新しいアポムチンの遺伝子クローニング
Project/Area Number |
07670608
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
岡田 良雄 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (30213953)
|
Keywords | アポムチン / MUC5AC / クローニング / 遺伝子 / モノクローナル抗体 / ヒト胃粘膜 |
Research Abstract |
ヒト胃粘膜から精製したムチン分画をTFMSを用い糖鎖を除去して作成した。ヒト胃アポムチンを抗原として3種類のモノクローナル抗体を作成した。得られた抗体の一つSO-MU1(マウスIgG抗体)を用いてλgtll-ヒト胃cDNA発現ライブラリーをスクリーニングし、1095塩基からなるcDNA断片m-8をクローニングし塩基配列の決定を行った。m-8はアポムチンMUC5Cに特徴的な24塩基の繰り返し配列からなる領域と非繰り返し塩基配列からなる領域を含んでいた。178アミノ酸からなる非繰り返し配列領域は特徴的に10個のシステイン残基を含んでいた。本研究進行年度中に2つの施設からMUC5AC遺伝子断片に関する報告があった。Ho等はヒト胃粘膜組織から得た繰り返し塩基配列領域のみからなるMUC5AC遺伝子断片F4を報告した(Gastroenterology 109:735-747,1995)。Duperat等は呼吸器粘膜から繰り返し、非繰り返し配列領域を含むcDNA断片JER47を得た(Biochem,J.55:2681-2690,1995)。F4はm-8、JER47とは異なるユニークなの繰り返し配列を持っていた。一方JER47とm-8は繰り返し、非繰り返し両領域を含む900塩基配列がほぼ完全に一致していた。このことからヒト胃MUC5AC遺伝子は構造の異なる複数の繰り返し塩基配列領域を含み、それらはシステイン残基を多く含む非繰り返し領域で隔てられていると推測された。また消化器と呼吸器で発現されているMUC5ACは同じ構造である可能性が示唆された。 なおアポムチンのクローニングには繰り返し配列領域の合成ペプチドに対する抗体が従来用いられて来たが、本研究では新たに作成した抗ムチンモノクローナ抗体SO-MU1を用いた。SO-MU1はMUC5ACに対する唯一のモノクローナル抗体である。
|