1995 Fiscal Year Annual Research Report
抗胃ムチン単クローン抗体を利用した胃粘液分泌刺激とその応答に関する基礎的研究
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07670612
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石原 和彦 北里大学, 医学部, 教授 (10104530)
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Keywords | 抗ムチン抗体 / モノクローナル抗体 / 胃ムチン / 胃粘液分泌 |
Research Abstract |
今回申請したテーマに関係してこれまで得られた結果は以下のとおりである。 (1)Ex-vivoガストリックチャンバーを用いたラット胃粘液分泌の測定法を確立し、主として2種類の方法を用いてその分泌粘液量を測定し、2つの異なった方法による粘液量の相関性の有無を検討した。すなわち、従来より行なってきたHPLCを用いた高感度ヘキソサミン定量による全粘液分泌量の測定、および2種類の抗ムチンモノクローナル抗体を用いたサンドイッチ法ELISAによる分泌粘液測定法である。カルバコール投与によって得られる粘液分泌亢進は両方法とも同一の増加と減少の傾向を示すものの、相関性については予想されるような結果とはなっていない。今後、抗体を用いた粘液測定法をさらに検討し両者の相関性が議論できるような条件の検討をさらにすすめる必要がある。 (2)これらに関係して、胃体部および前庭部深層の粘液産生細胞由来の粘液に特異的なモノクローナル抗体であるHIK1083のエピトープに関する生化学的検討を行い、この抗体が非常にめずらしいムチン型糖鎖の構造を認識することを明らかにした(現在論文投稿中)。 (3)上記1)に関連して、さらに適当な抗体を用いたサンドイッチELISAの測定系を開発するため、新たに表層粘液を認識する抗体であるRGM24の酵素標識抗体を作製し、これを用いた粘液の測定系を開発した。 (4)抗ムチン抗体を用いた検出や測定法のさらなる拡大をめざして、本学病理学教室と連携して、ヒト大腸ムチンに対するモノクローナル抗体の開発に着手した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuhiko Ishihara: "Establishment of monoclonal antibodies against oarbohydrate moiety of gastric mucin distributed in the different sites and layers of rat gastinc muiosa" Glycoconjugate Journal. in press (1996)
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[Publications] Takafumi Ichikawa: "Differences in the stimulation of mucin biosynthesis by growth factors and acid secretagogues in isolated rat corpus and antral mucosa" Gastroenterology. 108. A119- (1995)
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[Publications] Takafumi Ichikawa: "Stimulation of mucin biosynthesis in rat gastric mucosa by FRG-8813 and its structural analogs" European Journal of Pharmacology. (in press). (1996)
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[Publications] Kazuhiko Ishihara: "A monoclonal antibody to the gastric gland cell-derived mucin,HIK-1083,reacts with oligosacchinde bearing peripheral α-linked GlcNse residues" Glycoconjugate Journal. 12. 504- (1995)
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[Publications] 石原和彦(分担執筆: "胃-形態とその機能" 川井啓市編集:医学書院発行, 354 (1994)
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[Publications] 石原和彦(分担執筆: "メディコピア(33)消化性潰瘍" 亀田治男他編集:富士レビオ(株)発行, 217 (1995)