1995 Fiscal Year Annual Research Report
急性肝障害患者血中の広範囲なウイルスゲノムの検出法の確立
Project/Area Number |
07670620
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤瀬 清隆 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (60057057)
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Keywords | 急性肝障害 / 非A非B非C型肝炎 / PCR法 / ウイルスゲノム / ヘルペスウイルス |
Research Abstract |
本研究では、成因不明の急性肝障害症例、すなわち明かな薬剤性、アルコール性、自己免疫性肝障害を除き、急性期の血清ウイルス抗体検査でA、B、C型肝炎および既知の肝炎ウイルス以外のウイルス性肝障害が除外された、いわゆる非A非B非C型肝炎の症例を対象とした。初めに、これら症例の保存血清を用いて、PCR法レベルで、HBVとHCVのウイルスゲノムの存在を否定するために、HBV-DNAに対してはmajor S領域、HCV-RNAに対しては5′非翻訳領域の増幅をnested PCRにより、各々試みた。その結果、対象と考えていた17症例でHBV-DANは検出されなかったが、HCV-RNAが4例で検出され、C型急性肺炎であることが判明した。よって、残りの3例の劇症化死亡例を含む13症例が、より厳密な成因不明の急性肝障害の対象症例として残った。また、PCR法によるウイルスゲノムの検討はA型、B型肝炎症例の血清を対照として行ったが、血中のウイルスは微量で、経過と共に急速に消失することが明かとなり、検討対象とする血清の採取時間と、効率のよい核酸抽出法の採択が重要であることが判明した。次に、ヘルペス属のEBウイルス、サイトメガロウイルス、単純泡疹ウイルス、帯状泡疹ウイルスのDANシークエンスデータベースのポリメラーゼ領域より、コンピュータ解析システムを用いて、共通性のある塩基配列を抽出し、多種DNAウイルス検出のためのプライマーを作成した。さらに、RNAウイルスに対しては、最近データベースに全塩基配列が登録されたG型肝炎ウイルスの塩基配列よりプライマーを作成した。今後、これらプライマーを用い対象症例の血清につき検討を行う。
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