1996 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生抑制剤(TNP-470)による肝細胞癌転移抑制効果
Project/Area Number |
07670634
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
鳥村 拓司 久留米大学, 医学部, 助手 (60197986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 貞孝 久留米大学, 医学部, 助手 (80193572)
上野 隆登 久留米大学, 医学部, 講師 (70176618)
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Keywords | 肝細胞癌 / 血管新生抑制 / 肺転移抑制 / TNP-470 |
Research Abstract |
1.in vivo : 当初予定していたマウスMH-134肝癌細胞株およびMH-134M肝癌細胞株をCH_3/HeNマウスの皮下に注入し、肺転移モデルを作製する計画は、成功しなかった。このため、コリン欠乏食をラットに12カ月間投与しラット肝癌モデルを作製し、これに対し、コリン欠乏食投与開始12カ月よりTNP-470を4カ月間投与した。その後ラットを屠殺し、TNP-470投与群と非投与群間での原発性細胞癌の発生を比較した。その結果、TNP-470投与群ではTNP-470非投与群に比べ発生した肝細胞癌の数が少なかった。このモデルは肺への肝細胞癌の転移も認められるとの報告があるため、現在さらに長期間(1年6カ月)コリン欠乏食を投与し、その後、TNP-470投与群と非投与群間で肺への肝細胞癌の転移数に差が生じているか否か、さらに、TNP-470投与群での腫瘍内部の血管構築や、VEGFやb-FGFなど血管新生因子の産生が、TNP-470非投与群と比べどのように異なっているかを検討中である。 2.in vitro : ヒト肝癌細胞株(HLE、HLF、Huh7)の培養液中にVEGFの分泌が確認された。さらに、これらの肝癌細胞株を低酸素下(5% O_2)にて培養すると培養48時間まで、通常条件下で培養した群に比べ有意にVEGFの産生が亢進していた。現在、肝癌細胞培養液中へTNP-470を投与した群でのVEGFなど血管新生因子の産生がTNP-470非投与群と比べ、どのように変化するか、また、血管内皮細胞の増殖がTNP-470の濃度依存性に抑制されるか否かを検討中である。
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